NO.2 より
この言葉
好きなときと
嫌いなときがある
この言葉
簡単な文字だね
四画しかない
幼子でも書けるよ きっと
でも この言葉
簡単すぎて 怖いんだ
自分の心を勇気づけるときに使うのは好き
「今日よりも
明日は もっと
すてきな自分になるんだ」
生きる意味を求めて より一歩前へ歩き出すための呪文
「より彼方へ より未来へ より多くの人たちが分かり合える世界へ」
踏み出す勇気のためにある言葉
でもね……
他者に向かって言うのは 嫌いなんだ
「……より 自分の方が ……」
他人を見下して
自分が安泰な立ち位置に収まるために
使っていないか?
自分を
卑屈な眼差しで他人を上目遣いで睨み
「どうせ俺なんか……」って
呟いていないか?
使ってしまうよね
だって簡単な言葉だもん
『より』って
たった四画しかないから……
簡単すぎて 使い勝手が良すぎて
……悲しいよね……
自己満足を得たくて
誰かを傷つける
自分を愛せなくて
自分を傷つける
粗悪な言葉に大変身だ
『より』 ってさ
簡単な文字だけれど……
使うのは とっても とっても 難しい
現代詩 柊 あると @soraoda
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