すすめるようになったあたち

てちてち あたしのすぴーど

「ひまだぁ」

「ひまだぁあ」

「ひーまぁー」

ままはこのじかん　いつも　おりょうり　してるのよ。

「かまってー」

「あそんでぇー」

「ここにいるのよー」

ままは　だいどころで　ことこと　とんとん。

あ、なんだか　とっても　たのしい　リズム

「るんるん」

「とんとん」

「やっぱりひまぁー」

あたしは　てんじょうをみながら　ちょっとかんがえてみる。

ないてみようかしら？

いやいや　あたちがなくと　ままこまるのよ。

「にーにー」

「ねーねー」

「ひまなのよー」

にーにも　ねーねも　なんかたのしそうな　おもちゃで　あそんでる。

よし　あたちの　ひっさつわざ！

ふんっ！ふーん！ぐぬぬ…。

よっこら　よっこら　あっ！　できたのよ！

「ままみてた？」

「にーにみてた？」

「ねーねみてた？」

あたち　ねがえり　ひとりでしたのよ？

…やっぱり　ちょっと　ないてみようかしら？

いやいや　ここは　あたらしい　わざをおぼえて　ままたちを　びっくりさせてやるのよ！

よいしょ　よいしょ

まえにすすまないの　おかしいな

よいしょ　よいしょ　すすんだ？　すすんでない

あ、あしを　うごかしてみよう

よいしょ　よいしょ

わたしのからだ　ちょっと　すすんだ。

「ままみてた？」

「にーにみてた？」

「ねーねみてた？」

もっとすすんで　びっくりさせてやろう

よいしょ　よいしょ

つかれてきたのよ

よいしょ　よいしょ

「まま　あたち　がんばってるのよ」

「にーに　あたち　すぐいくよ」

「ねーね　あたち　あそんでほしいの」

ふぅ… さっきまでいたばしょが　もう　とてもとおくだわ

よいしょ　…よいしょ　…。

「ままー！ちぃちゃんが　いどうしてる！」

「ままー！ちぃちゃん　ねちゃってる！」

「ええっ？あっ、ほんとだ！」

私はちぃちゃんを抱きあげ、可愛いおでこにキスをする。

「頑張ったねちーちゃん。もうすぐお兄ちゃんたちと遊べるね」

「えへへ　まま　にーに　ねーね　びっくりしたでしょ？」