第87話 大暴れ


「少々お待ちください」


 少し待つと檻をそのまま持ってきた。

「失礼します、こちらになります」

 と檻に入れられてきたのは妖狐の女の子だ。

「ほう、これはどのように?」

「それは秘密のルートがありまして」

「…そうか」

「で?いくらだ?」

「金貨1000枚です」

「安いな」

「そ、そうでした、間違いました金貨2000あい」

「お前の命の値段か?」

 俺はそいつの首を斬った。

 一緒についてきた男も斬る。

「ダウン?いいだろ?」

「はい!それじゃあいきましょうか!」

 ダウンもナックルをはめてガインッと鳴らす。

 とりあえず2人を収納して鍵を取り出すと妖狐を外に出す。

「え?」

「心配すんなって!俺らは危害を加えないから!」

 ダウンがニコッと笑う。

「…始めるぞ?」

「いつでも!」

 歩いて行くと大勢の黒服が出てきたがダウンが前に出る!

「俺だって強くなってますから!」

「…分かったよ」

「オラオラオラ!」

 大勢いた黒服はダウンに倒されてピクリともしない。

「ほら」

「うっす!」

 縄を渡すと手早く黒服達を縛ってしまう。

「…お前はどこからきた?」

「え?」

「それじゃあわかんないっすよ。奴隷の部屋はどこ?」

「あぁ!あっちです!」

 妖狐の子は率先して案内していく。

「あ、あれ?ここの先に」

「…どいてろ」

「はい!」

「ブラックホール」

 壁が丸く空くとその奥には檻に入った奴隷達がいた。

「ダウン!ここはよろしく」

 と鍵束を渡すと、

「うっしゃ!解放していきます」

 

 俺は1人で上に向かう。三階建てのこの物件の一番上は一部屋になっていた。黒服は全部斬り伏せ、中に入ると趣味の悪い部屋だ。

 繋がれている2人の奴隷の鎖を斬り、

「…解放しにきた」

「は、はい」

 机の中を探ると出てくる契約書。

 とりあえず全て収納にいれていく。

 マジックバッグが3個ほどありその中は金貨だ。

「はぁ…」

 疲れたので椅子に座って契約書を取り出し確認して行く。

 普通の契約書しかないな。

「どこかに隠し金庫はなかったか?」

「そ、それなら」

 とベッドの上を指差す。

(ベッドの上なんて気持ちの悪い…)

 ベッドをどかして頭のとこのベルを引っ張ると隠し扉が開く。

 中に入ると金貨が山のように積んであり、それはありがたく頂戴する。

 隠し帳簿に…あった、違法契約書だ。


 そして2人を連れて二階に戻るとダウン達と合流する。

 そして一階に戻り、黒服達を斬り殺していく。そして地下一階に入ると据えた臭いがする。

 鍵を開けて回るダウンについて行く妖狐。


 俺は犯罪奴隷を探して話を聞いて行く。危ないやつは排除して収納だ。


 ある程度スッキリしたな。

 全員にクリーンをかけ、外に出る。

 まぁ縛られてたやつも俺が殺しておいた。収納に入っているので結局はもうもぬけの殻だ。


 そのままルビーのいる宿屋に行き、また貸切にしてもらう。

 リシェルは服を買いに行き、俺は名前を1人づつ呼んで違法奴隷は解放して行く、合法奴隷は俺と契約だ。

「なぁ、そろそろ俺も名前が覚えきれないのだが」

「いいのよ、それは」

 いいらしいので俺の奴隷は増えて行く一方だ。


 そして違法奴隷から解放した人達は、行く宛のある人は帰して、行く当てのないのは俺たちと一緒に来ると言うことだ。

 まぁ、解放されて行く当てがあるのは1人もいなかったがな。

 行く当てがないので俺らと一緒に来るらしい。


 次の日は石材や木材、鉄や銅などの材料集めだ。売れるだけ売ってくれと言うとほとんど売ってくれるので買って収納して行く。


「いやっほー!これで材料の心配しなくて済みますね」

 とガンツは嬉しそうに言っている。


 露店を周り、オリハルコンやミスリル、マジックバッグなどを買って行く。マジックバッグは解呪すると金貨が入ってるから大好きだな。

 やはり人間大事なものはそういうところに入れているのだな。

 馬車も奴隷商から拝借したのをガンツが改造する。

 三台になった馬車で移動だ。

 そして食材を買い込んだらまたきた道を戻って行く。

 

 こんどは三台に乗り込む人数も多いので、来る時よりも大変だな。御者ができるのが何名かいたので交代で休みを取りながら走る。


 夜番も交代制だが死の大地に向かう奴などいないから楽だな。

 ようやく死の大地に足を踏み入れる一キロほど元の荒地だがそこからは芝生の絨毯が広がっている。

 10日ほどでようやく見えてきたみんなのいる場所は20日以上も留守にしたので見違えるほど綺麗になっていた。


「ようやく帰ってきたと思うたらまたギョーさんつれてきたな!アヒャヒャ!」

「…不可抗力だ、それよりもこれだろ?」

「アヒャヒャ!酒じゃー!」


「おう!ウエンツ!サインツ!ちゃんとこなしていたか?」

「「ヘイホー」見ればわかるだろ?」

「おう!しっかりした下地じゃねーか!」

「よし!お前たちもこっちにこい!」

「「「「ヘイホー」」」」

 とドワーフ軍団が出来上がっている。


「サイ!アヤ!」

「「ウィン」」

 とやはりあの妖狐はサイ達の仲間だったようだな。

 

 あと残りの奴隷達や、解放した奴らもここを気に入ってくれるといいんだがな。

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