第86話 仲間増やし


「えっさっほいさ!」

 とガンツ達が動いている。

 

 中心地から碁盤の目のように線を引いてまわっている。

 いままでいった街のように城から放射線城に城下町を作るようだ。

 どんな設計図が組み上がってるのかわからないが線を引きまくっている。


「ガンツ!どこに資材は置くんだ?」

「へい!こっちにきてくだせぇ」

「…?」

「ここに川が流れているんで川も取り込んで作っていきます!」

「おぉ、分かった」

「で、とりあえず資材の石材と木材の三分の一を出していただけますか?」

「分かった」

 ガンツ、ウエンツ、サインツは他の人を使いながら簡単に橋を作っていく。


「そんじゃ!ウエンツ!サインツ!いくぞ!」

「「ウェイ!」」


 と言って簡単な小屋を作って集落を作る。

「ふう、とりあえずは寝床を作ったんでこれでゆっくり休めますぜ」

「おお、ありがとう」

「まだまだ!今から作るのは城ですからね!気合い入れて頑張りますよ」

「あぁ!よろしくな!」


 ガンツ達だけじゃ足りないだろうし石材や木材ももっといるだろうということで俺、ルビー、リシェル、ガンツ、ダウンで人材探しと材料調達に行くことにした!


「ウエンツ!サインツ!下地は任せたぞ!」

「「ヘイホー」」

 材料は全て置いて行くので足りないということはないだろう。

 ご飯系もクオンとセイランがいるから問題ない。

 ボン婆からは酒を買ってこいと言われてある。

(忘れないようにしないとな)


 馬車で2台で10日もかからずに『死の大地』ってのも変だが俺たちの国の入り口まで来た。あとはこれを辿っていけば魔王国だ。


 そこから3日かけての弾丸ツアーだがなんとか城下町までたどり着くと宿に泊まりみんな泥のように眠る。流石に疲れた。


 夕食どきにはみんな起きてきて飯を食いながら明日はどう動くのかを検討した結果。結局は俺がいないと始まらないので奴隷商だけ全員で行くことになった。


 次の日には全員回復していて奴隷商に向かう。ギルドカードを見せるとすぐに取り合ってくれ、ドワーフ族を見せてもらう。もちろん欠損も含めてである。

「ヘイホー」

「「「「ヘイホー」」」」

「こいつらで」

「…今のはなんだ?」

「わしらの掛け声でさぁ、これが合わなきゃ仕事にならねえ」

「んじゃそいつらを」

「金貨100枚になります」

「欠損奴隷は?いくら?」

「え、えーと、銀貨一枚」

「よし!三人ね」

「…はいはい、リジェネレーション」

「「「ゔぁぁぁぁぁあぁぁ」」」

両腕がない奴に、片腕が潰されたようになってる奴、はぁ、嗜虐趣味もここまで行くと極まってるよな?初めて見た盗賊を思い出す。


 うめき声が収まると今度は泣き声に変わる。

「俺の手が」

「か、からだがうごく」

 とひとしきり確認すると、

「あ、ありがとうございます」

「…いい、痛いとこはないか?」

「「「はい」」」

「よし!」

 三人の体は完治した。

「ち、ちょっとすいません!」

「…あ?」

「欠損奴隷ならまだいるのです」

「いやしかしだな」

「今なら銀貨1枚!いやタダ「分かった連れてこい」ありがとうございます!」

 連れてこられたのは両足のない女エルフと全身火脹れになった者だ。

「リジェネレーション」

「ゔぁぁぁぁぁあ」

 女の方は痛みに耐えているが火脹れの方はもう声も出せないようだ。

 治している間に奴隷契約を済ませる。

「アァァァァ!」

 ビックリしたが、そこには体が治った女エルフと、獣人の女の子がいた。

「アァァァァ!」

「はぁ、もう大丈夫だ」

 と抱きしめてやると静かになり泣き出した。

「あ、あ、ありがと、う、ござい」

「もういい…落ち着いたな」

「は、はい」

「よし」

 獣人の女はようやく落ち着いたらしく、女エルフはまだ呆けている。

「あ、ありがとうございます!良かったな2人とも」

 うーん、奴隷商もわるいやつばかりじゃないってことか?


 まぁ。違法奴隷を扱ってるところを探してみるか。


「違法奴隷を扱ってるとこは知ってるか?」

「え、…どうするおつもりです?」

「潰す」

「はぁ、これは独り言ですが、この子らが売られていたのが西地区にある奴隷商らしいですな」

「…ありがとう」

「お気をつけて」

「何言ってんの?ランクS冒険者よ?」

「ひ、人斬り」

「…あまりその名は好きじゃない」

「失礼しました」

 と言って奴隷商と別れる。


 ルビーに奴隷を任せ、ダウンと2人で西地区にある奴隷商を訪ねる。


「…ここか」

「ルビーさんにも言われましたけどちゃんと分かってからですからね?」

「…分かってる」

 

 中に入ると儲かっているのか成金趣味だな。

「いらっしゃいませぇ、なにをお探しでしょうか?」

「ドワーフの奴隷はいるか?」

「はい、いるにはいますがお客様だけにオススメの奴隷がいますよ!」

「どんな奴隷だ?」

「それではこちらに」

 と連れて行かれると応接室に着く。

「少々お待ちください」


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