第72話 ホビット製
「わ、我は折れぬからな!一応言っておく!」
はぁ、まぁそうだわな。
「まずは俺たちの紹介からですね、俺はケント、ランクSの冒険者だ」
「ら、ランクS!?」
「つぎは俺ね!
「じゃあ、僕は
「な、みんなカオルと同じような名前?」
「あと、
ダウンは後ろで立っている。
あぁ、セイランも連れてくればよかったな。
「みんな同郷なの」
「同郷とは、カオルの言っていた日本というところか」
「…そうだ。俺たちはそこで一度殺された」
「嘘じゃ!生きておるではないか!」
「まぁ、聞いてくれ、一度殺されて神にこの世界に生き返らされたと言うのが正しいかな」
「な、それではみんな神にあったことが」
「まぁ」
「あるっちゃあるな」
「あれが神とは」
「そうね」
「そうだったのか。だからカオルはその日本というところに戻ろうとしていたのか?」
「そうよ、でもダメみたいね」
「な、なれば!」
「私は私の生きたいように生きる!だからあなたのお誘いは断らせていただくわ!」
「…やはりダメか?」
「ええ、ごめんなさい」
「…はぁ、恋とはほんとに難しいものじゃのう」
「…それは分かる」
「え?2人して沈まないでよ!」
「わかってくれるか!」
「…あぁ、ほんとに難しい」
「こ、今夜は飲まないか?」
「わかった、付き合うよ」
「よし!爺!酒を持ってこい!強いやつじゃ!」
「なら俺も!」
「僕も仲間はずれは嫌ですよ?」
「はぁ、貴方達バカね、ウフフ。でも嫌いじゃないわね」
その日はダウンに言伝を頼み、一夜明かすことにした。王の名前はルゥというそうで好きになったのは初めてだったらしい!
(分かるぞその気持ち!)
王との結託は強くなるが、だが別れが来るのも事実。
「た、達者でなぁー!」
「俺たちがついてる!」
「元気でねー!」
「落ち着いたら手紙出すから!」
と言って別れた。
さて、宿に戻ると同じ様に飲みすぎた女どもがいた。こちらは回復魔法で治るが。
「いててて。か、帰って来たのね?」
「ヒール」
「うー、飲み過ぎたわ」
「だな」
「あ!で?そっちの子が?」
「如月薫よ、よろしくね」
「わぉ、大人っぽい!」
そりゃカオルは30だからな。
「なにか?」
「…なんでもない」
(こわっ!)
エリアヒールをかけて全員を癒していく。
「あ、貴方達何人で行動してるの?多くない?」
「まぁ、色々あってな」
「ケントが悪いのよ?全部拾っちゃうから」
「…言い方」
「はーい!」
まぁ、打ち解けるまで時間はかからなかった。そして若干俺をみる目が変わった様だ。
「はぁ、先が思いやられるわね」
「…俺を見ていうな」
夕食はボン婆自慢のミード酒が振るわれたり醤油に感激するカオルがいたりで楽しく過ごすと、次の日はもう買い物し隊に入団した様でみんなで買い物しに出て行った。
「適応力ありすぎて笑えるね」
「まぁ、ルビー達がいるからな」
「それより今日はどうします?」
「俺たちも出かけよう」
馬車を持っていき改造してもらう。少しでも快適に旅をしたいからな。
それから出かけるが俺たちの買い物なんてすぐ済むからな。あとは買い食いの量を増やして収納に入れてたりするくらいか。
ギルドに顔を出してみると別段変わった依頼もない様だな。
いつもの様に喫茶店で時間を潰しながら話をする。
「…これから魔王国だが獣人国は通らずにいけないか?」
「あぁ、そうですね、海洋国家を通れば?」
「回り道になりますが行けなくはないですね」
「それじゃあ、それで行こうぜ!」
「うっす!でも獣人国はあれが全部じゃないっすからね?」
「…あぁ、わかってる」
というわけで道も決まったし、夕食時にみんなに話をすると、みんな賛成してくれた。
「海洋国家ね、どんな国かしら」
「さぁ、誰も魚人じゃないからわかんないかな?」
「魚人?」
「いるよ?まぁ海のそばが好きみたいだけどね」
ほぅ、人魚とかもいるんだろうな。
「もう店員オーバーだからね?」
「…わかってるよ」
流石に増えないだろ。
郷に入っては郷に従えで、俺もスチームパンクの服装だ。ルビーとリシェルで選んでくれたそうだ。
「似合いますよ」
「…そうか?」
(自分ではかっちりしすぎの様な気がしてるが)
でも機能面も快適で残暑厳しいのに意外と涼しく感じる。冷却効果がある様だ。
馬車も馬に優しい、ある程度スピードが出てくると車輪が勝手に回ってくれるのでスピードが出る。馬車には何やら機械だ張り付いているが、なんとなくカッコよくなっている、。さすがホビット族だな。
ブレーキもついているし、馬車がパワーアップしたな。
さぁ、海洋国家に向う。
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