第35話 また増えた


 だがこっちも負けていられない!

「オラァァァァァ!!」

『ブ、ブモオォォォォ!!』

(臆したほうがまけなんだよ!)

「サンダーショック!!」

 強めに使ったサンダーショックにオークキングは倒れた。

 あとはまたオークを倒して行くだと思ったらジェネラルやマジシャンまでいた。がこっちも総戦力だからな!



 ほとんど片付くと集落を見て回る。

 捕まっていたのは檻に入れられていた。

 出してやると喜んで抱きついて来たがリシェルやルビーに引っ剥がされる。


 あとは女性の死骸が何体もあった。

 子を宿すためのやり部屋の様なところに女どもが転がっていたがどれも自決した様だ。


 ギルドカードを探すと鎧なんかと一緒に捨ててあったので収納し、供養のためにまとめて焼く。

 あとは金貨なんかも溜め込んでいたのでそれも収納して行く。

 

 胸糞悪くなるがそれはしょうがないか。

 助けたのは全て女だった、男は無惨に殺されて食糧にされた様だ。


 服は全て引き裂かれていたのでリシェルやルビー、ミイ、スィの服を渡して着てもらった。


「あ、ありがとうございます」

「…気にするな、大丈夫か?」

「大丈夫です!!」

「タラシだ!やめろタラシ!」

「…はあ」

「はぁ、はこっちの台詞だ!」

(ルビーは何を怒ってるんだ?)

 オークを収納に入れて行く。


「奴隷契約書なんてありましたよ?」

「…」

「はぁ、この中に奴隷っているの?」

 手を挙げるのが2名。

 1人は人間で1人がドワーフの様だ。

「はぁ。ケントおいで」

「…また俺か?」

「あんた以外誰がいるのよ!」

「…ルビーにボン婆、シンも」

「全員女なの!」

「…別に」

「よくない!それにあんたが一番強いでしょうが!」

「…」

「ほら、さっさとするわよ」

「…はい」

(怒るくらいならしなければいいのに)

「ルビーさん怒ると怖いのな」

「うんうん」

「そこ!聞こえてるからね!」

「「ひぃ」」


 結局。胸の大きな明るい茶髪でロングの女の子と背の低いクリっとした目の水色の髪の女の子は俺の奴隷となった。

 人間のほうがアンバーでドワーフの子がレアルだ。

「…ケントで頼む」

「「はい!ケント様」」

「…はぁ」


 そして集落はあらかた壊して燃やしておく。

 そうして森の外に出る頃には夜になっていたので今夜は野営をすることになった。

 久しぶりの食事に涙を流す女達。


 そして寝ていると夜伽にこようとするがミイやスィに怒られている。

(こちらまで聞こえているぞ?)

 夜の番はダウンやミイ、スィ、そしてアンバーにレアルも、加わってしてくれたので助かった。


 夜明けと共に出発して街に入る前にオークの集落から助けた女達を門兵に渡す。

(まぁ、強く生きてくれ)

 そしてギルドに戻り報告をする。

「さ、さすがSランク冒険者様ですね」

 と褒められたのかな?

 解体場で全てのオークを出し、解体してもらいキングとジェネラルのは肉だけもらう。

 ファングボアなども出して肉だけもらい、ギルドに売ると金貨38枚になった。


 

 宿に戻ると女将に部屋が空いているか聞いてみると空いていたので2人部屋を一つとる。


 朝飯は食って来たのでそのまま買い物に出る。アンバーとレアルの服を買いにとアンバーは弓使いで、レアルはハンマーらしいので、武器防具だな。ボン婆とシンは途中で酒を買いに行ったし、ルビーは情報収集、リシェルとミイを連れて行った。


 スィにマジックバッグを余っていたので渡す。

「わ、私にですか?」

「…あぁ、女だから色々必要だろうからミイやアンバーたちのもよろしくな」

「は、はい!」

(あと一個余ってるからリシェルに渡そう)

 スィが大事に抱えてるからまぁ、渡して正解だったな。


 全て買い終えると親方のところへ行ってみる。

「おっ!って、なんか増えてねーか?」

「…それはしょうがない。で?どうだ?」

「おう!来てくれ!自信作だ!」

 と応接室に行くと、

(チェスのコマがかなりしっかりしているしカッコいいな!)

「これがいってたやつで、あとは紙のトランプってのは別の工場に頼んである!」

「…よし、一戦やろうか、教えてやる」

「おう!やり方がわかんなくちゃな!」

 と教えてやるとどんどん吸収して俺が負けた。

(まぁ知ってるのと強いのとは違うからな)

「ふ、フハハハ!こりゃ面白えじゃねぇか!」

「…だろ?」

「しかも名前もいい!ナイトにルーク、キングが取られれば負けなんて国取りだな!」

「…まぁ、戦いの様なものだしな」

「これは売れるぞ!作らせてくれ!」

「あぁ、いいぞ、金はいらんから流行らせてくれ」

「任せろ!」

 と言って先ずは献上品だなと言いながら工場へ向かうので俺たちは宿に帰る。

 帰る途中でルビー達と合流したのでリシェルにマジックバッグを渡す。

「あ、あぁ、私にも…もらえました!」

「良かったわね、もう持ってないんでしょ?」

「あぁ、持ってない」

「そう、ならよし」

(何がよしなんだ?)

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