開戦

まずは小手調べとばかりにグァムから空襲があった。

B17とP40の軍団だ。


電探は即座に察知し、空襲警報を発令。

アスリート飛行場の零戦部隊は緊急発進し低空を突っ走る。

まずは空中退避が目標。

全所属機が離陸すると空中指導機(電探装備)が戦闘機の割り当てを行う。


あ、勇者の俺も指揮官として一個部隊を任されてたので、出撃してます。


「コチラ教導機、まずはベテラン部隊のみに任す。進路、グァム方面から・・・」


細かい進路を指示し、ガンガン高度を上げる。

幸いにも敵軍はあまり高度を上げない。


「聞け、戦闘開始と共にジャミングをかける。

敵にコチラの情報を持ち帰らせるな!!

・・・間もなくだ・・・・ッテ~~~!!突っ込め!!」


教導機からの指示に従いベテラン部隊が主翼から雲を引き、

主翼を翻しま逆さまに突っ込む。

敵は目の前だ。


その頃の敵部隊は・・・


「Hey、ジョン、JAPのクソ野郎に俺達の熱いブツをブチ込もうゼ。」


「トニー、もうすぐ戦闘だ・・・ン??アレ・・・・ザザザ・・」


敵に視認される寸前に教導機が無線をジャミング。

敵は一切の無線通信が不可能となる。


「コチラゼロ、敵を発見し敵対行動も確認。コレより撃退ス」


急降下の勢いで主翼端から水蒸気の雲を引き、見事な機動で敵のケツに追いつくと。


ズドドドドと4門の25mm機銃が吠え、敵戦闘機P40は主翼メインスパーを

ヘシ折られサイパンの海に墜落して逝く。


「敵は混乱してる、かき回せ、敵を撃て編隊を崩せ!!」


俺は急降下で音速付近まで速度を上げる。

ココまで加速したら速度計は見ない。

零戦はレシプロ機として最強機。

装備してる25mm機銃はドイツのマウザー砲をパクった機銃。

装弾数は各銃に300発。


合計4門の25mm機銃の破壊力は前史の紫電改、グラマンを横臥する。


ズドド・・・。短い連写でもP40の主翼をヘシ折り、次々に墜落。

護衛を片付けるとB17に襲い掛かる。


「ヤマダ少佐だ、敵は後部に銃座が無い。

後部から襲え!!」


初期型のB17はまだ後部銃が無いタイプ。

俺の無電を聞くと部下は続々と後部から襲い掛かる。

側方銃座もあるが、真後ろには射界が狭く中々当たらない。

4門の銃が吠えると橋桁みたいなB17のメインスパーでも折れる。


メキメキと言う音と共にB17は主翼を折られ火だるまとなり墜落。


「ヨシ、その調子だ、敵を殲滅セヨ!!」


味方を鼓舞し、俺もB17に襲い掛かる。

時速が倍近く速いので逃がす心配は無い。


空の要塞と言われるB17だが、この頃はまだ対戦経験もなく、

ビビリながらの侵攻だったので、カモに出来た。

海面には墜落する敵の残骸や火の海が出来、パラシュート降下するも、

周囲はフカの海。

哀れだが見捨てるしか無い。

およそ50機の敵編隊は一機も返す事なく殲滅。


無敵零戦のデビュー戦はこうして生まれるのだ。


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