サイパン、硫黄島要塞化

俺は零戦に乗り、硫黄島経由でサイパンに来てた。

未来の日本史では米軍に蹂躙されB29の発進基地となるサイパン、テニアンだ。

サイパンを取られると日本は終わる。

なので絶対国防圏をサイパンに定め、海兵隊も狭い島ながら3万の師団を駐留。

伊勢や扶桑から降ろした36cm主砲を各岬に設置し周囲は電探で常時警戒。

>伊勢、扶桑は長門型の42cm主砲に交換。


サイパン軍港には駆逐艦を10隻駐屯させ、常に5隻が周囲海域をパトロール。

飛行場には多くの高射砲を装備し、週に一度必ず試射訓練を継続。

各岬の36cm砲も当然。

前史では「ダダダ・・」と口で言って発射ゴッコ訓練をしてたと聞く。

だが俺がスポンサーとなった新日本帝國は全て実弾を潤沢に訓練を継続。


あ、そう言えば神の恩恵で未来の世界から全てのスクラップを帝國に輸入出来たのだ。

膨大なエンジンのスクラップもこの世界では宝。

不要な部品は一切無い。


山奥のスクラップヤードに未来からの物資を海軍工兵部隊が区分けし、

全てのスクラップを目視で区分け。

さすがに民間には未来製品は任せられない。

ヤードの出入りには探知機を設置し、部品の持ち出しは不可能にしておく。

また出入りする際には私物は一切持ち込み、持ち出し厳禁。

ヤード入口前の更衣室で着替えて出入りを義務付け。

海軍警務隊も常駐し、民間人は接近すら出来ない。

噂話も厳禁とし、もし漏らせば逮捕拷問なのだ。

陸軍消滅で憲兵は消えたが、海軍警務隊が基地周辺の監視、護衛を任せてる。

憲兵消滅の余波で警察の権利も復帰。

民間の逮捕権は軍ではなく、警察に一任。

基地周辺の逮捕のみが海軍警務隊の職務とする。


陸軍を除隊した兵士は工場、農業、漁業で活躍。

女性は結婚まで工場、軍務の事務に勤務。

伴侶を見つけ幸せな家庭を持つ。


原油はまだ輸入出来ていたが金属はさすがに戦火の拡大でストップ。

まあ未来のスクラップが入るので無問題だがね。


日本は国内だけの循環世界で賄ってた。


さてサイパンの要塞化は進み、戦艦から降ろした主砲の訓練も順調。

実戦になれば的になるだろうが、威嚇には充分。

島民は全て本土に移住させ、戦後まで島嶼はほぼ、軍人のみ。

沖縄はさすがに移住は難しいが、多数の軍用機を配備し、24H電探で監視。

祖国を完璧に防衛を平時でも義務付け電探員は常時10人態勢で監視。

電探網は全国に広げ上空も一式陸攻を改良した電探機で網羅。

祖国防衛こそが軍の真の仕事と軍事教育でも仕込む。

攻めるよりも守る方が大切なのだ。

攻めても国土が侵されれば終わる。


陛下にも別未来のB29の爆撃、原爆の詳細を教え、国防に特化して

祖国防衛を生き抜く事こそが大切と説得。


同じく硫黄島も膨大な資源を投入して要塞化。


サイパン、硫黄島を抜かれれば終わるのだから・・。


硫黄島の視察に来てた山本閣下も・・。


「ヤマダ君、ココまで強化するのか??」


海岸に設置した膨大な主砲、基地には群れを成す高射砲群。


海岸線に設けた鉄壁の洞窟。


島には一人の民間人も置かず全て軍人。


硫黄島は海水を水に変換出来る設備を洞窟に設置し水対策を行う。

水は消費も膨大。

飛行機で運ぶよりは海水を真水にする方が格安なのだ。


護岸を広げ1万トンの輸送船でドシドシと物資や砲弾、

資材を運び硫黄島も前史以上の鉄壁化を図る。


「閣下、正直コレでも足りないのですよ。

前史では動画でも見て貰いましたが鉄の嵐が注げばどんな要塞でも持ちません。

陸軍削減で攻める軍では無くなった日本は敵に攻められない祖国にしないと。

・・・滅びます。」


「・・・」


山本も絶句してた。

コレだけの要塞でも負けるかも?とは。


「閣下、何事も絶対は無いのです。

ですが準備、訓練はし過ぎ・・は無いです。

敵が何時来ても耐えれる国にしておけば欧米ソ相手でも戦えます。

油断だけは禁物です。

それと外交ですよ。

欧米は東洋のサルと揶揄する我が国を舐めてます。

譲歩してしばらくは時間稼ぎ出来ましたが、欧州が落ち着いたら牙を剥きます。

どうかボンクラ外交だけは最後まで避けて下さい。

外務省には徹底しておいてほしいが本音です。」


ボンクラ外務省職員は未来情報で徹底的に削減。

海外赴任の職員は海軍退官の士官を任命。


パーティーで受かれるボンボンは一人も居ないのだ。


そんな平和を謳歌してたある日・・。


遂に来たのだ。

あのハルノート改良版が。


「閣下、来たみたいですね。」


「ウム、さすがに飲めぬ内容ばかりでワシも絶句しとるわ。」


陸軍消滅で大陸利権は全て手放し、島嶼だけの防衛強化してる我が国に、

アメリカはムチャな要求を入れて来たのだ。


東洋のサルは息をするのすら許さないのだろう。


だが、我等も黙って居るつもりは無い。。。

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