第2話 魔導機
目の前にあるのは3種類の
中型の内1つは、何やらランドセルみたいなモノを背負ってる感じで。
「右端のが基本種の『
「アレってバーニア?」
「みたいなもんだ。その、魔結晶いれて風魔法を噴射して多少早く動ける様にしてるんだ。まぁ、その分
よく見ると、脹脛辺りも少し太めで。
「先ずは、
エリックさんは何時召喚されたんだろ?
開き直りに近い清々しさを感じてしまって。
「お嬢さんも大丈夫かい」
「まぁ。喜んでとはいいませんが、どのみち村を追い出されて家族もいない身ですので」
ヤン・ファーレンって言ったか?少し歳上に見える。中国人って黒髪黒眼だけど、何て言うか、あまり親近感感じないな。
「そうか。前の召喚で来た娘さんが、召喚を現実のモノとして受け入れてくれなくてね。『親元へ帰る』『夢みたいな事言わずに誘拐ヤメテ』で、最後には発狂して自害しちまってね。あぁ。女性の召喚はやめてって言いたいの分かるんだ。だが、此処の領主には1人娘しか居なくってね。どうしても女性騎士が必要らしいんだ」
「娘さんの護衛?なら、少しは良い暮らし、させて貰えるのかしら?」
「
後で聞いた。
「日本人の貴方には、私達の貧困の苦しみは分からないでしょうから」
母子家庭で、僕も裕福とは言えない環境だったけど、それでも餓死なんて考えられない暮らしだったし。その母も先日事故で亡くなっていて。天涯孤独の、生きる為の様々な手続きをしてる矢先だったんだけど。
「僕の事、行方不明者になってるのかな」
「いや、向こうじゃ死体がちゃんと有るんだとか」
「コレ、飛べないんですね」
「何のアニメだよ、
「ヒカル。『
エリックさんが指示して、ランドセル付がもう一機運ばれてくる。
「それじゃ私は、コッチの『
ハインツさんが左端へ動く。
「じゃ私が、この『
ヤンさんが右端のヤツで。
そこにエリックさんの
「コクピットは腹部だ。乗り込んだら、胸部の魔結晶に自分の
振動?駆動音?
何か、モーターが動き出した様な。
「先ずは立ち上がってみてくれ。ゆっくりと
乗り込む為に屈み込んでいて、開いた腹部の前に右手が、まるでステップの様に固定されてて。
それが、ゆっくりと直立していく。
「前進は右ペダル、停止は左ペダルだ。振り向きや進路変更はハンドルで、基本的に左手で操作してくれ。右手は座席横の
ハンドルが小さめなのは、片手操作の為か。
コレは、慣れるまでかなり大変なんじゃ?
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