第2話おっさん美少女
なんなんだ、どういう事なんだ、これは本当に俺なのか。
トイレの鏡をじっと見つめる。
両手、両足、すべてを確認するが、間違い無く、俺の体だ。
なんでこんな事になったんだ。
いつからだ、いつから俺の体は、おかしくなったんだ、何か心当たりはないか、思い出せ、思い出せ。
う〜〜〜ん。
わからん!!!
さっぱり、わからん!!なんなんだ!!!なんで俺ばっか、こんな目に合わないといけないんだ!!
俺は頭をクシャクシャにする。
しかし・・・・
かわいい。なんてカワイイんだ・・・
小さく白い顔にクリクリ二重の大きな瞳、スッと通った鼻筋、ポテッとした小さな口。
ベージュの、背中まで伸びたふわっとゆるくパーマのかかった髪。
かわいすぎじゃないか!
若かったら絶対惚れてる。
ハッ!!
い、いかん、そんな事考えてる場合じゃない。
どうしよう、どうしたらいいんだ。
とりあえず店長に言おうか、信じてもらえるだろうか、この美少女が、さっきまで俺だったなんて。
俺は店内をうろつく。
そして、気づいた。
そうだ防犯カメラ。俺が美少女に変わる瞬間がカメラに映ってるんじゃないか。
「てんちょ――!!」
ガタガタンッ!!
事務所で絶対寝てただろう店長が飛び起きる。
「防犯カメラ!!防犯カメラを見せてください!!」
俺は店長をどかし、防犯カメラのモニターをチェックする。
「な、なんだキミは!!」
「店長、信じられないと思いますが、この
胸の名札を見せる。
「堀田・・・キミ、なんで和男ちゃんの制服着てるんだ!
和男ちゃん!?和男ちゃん、何やってるんだ―!」
店内で俺を探す店長。
「おおお落ち着いてください、店長。」
俺も落ち着け!
「俺は、堀田和男なんです。なんでかわからないけど、急に姿が変わっちゃったんす。
今から証拠を見せます。」
俺はモニターから体が変わる瞬間を探す。
「あった!」
モニターの中の俺はカウンターから外を見つめている。次の瞬間、俺の体は一気に溶け、新しい体の美少女が一瞬でできあがった。
「ヒィィィ―――――――!!!」
「キモい――――――――!!!」
この上なく、おぞましい映像を見た俺と店長は泡を吹いて気絶した。
ハッ
俺はすぐに意識を取り戻し、店長を起こす。
「これは真実なのか、こんな事がほんとにあるのか。」
口に泡を付けたまま店長は、俺を見る。
「とりあえず今日は帰れ。明日から少し休んでくれ。どうするか考える。」
俺は制服を脱ぎ、チェックのシャツをスラックスにインして帰った。
何故こんな美少女がこんな変な格好をしてるんだろう。幸い夜中だから人に見られる事もなく帰れたが、これが昼間だったら、俺は間違いなく好機の目で見られただろう。
アパートに着き、自分の人生を振り返った。
俺の両親は、小さな村で出会った。
村一番のハンサムボーイだった父ちゃんと、村一番のチビでブスで有名だった母ちゃん。
ハンサムボーイだった父ちゃんは、村中の若い女にモテモテで、毎日違う女と順番にデートをし、夜を共にした。
ある夜、父ちゃんは村一番の美女の部屋に夜這いに行くのを、間違えて母ちゃんの部屋に入ってしまった。すぐに間違えた事に気がついた父ちゃんは、部屋を出ようとしたが、母ちゃんのデカ乳に目がくらみ、一夜を共にしてしまった。
その時にできたのが俺だ。
だが、父ちゃんは、母ちゃんから妊娠を知らされると村一番の美女と駆け落ちをし、そのまま行方をくらました。
そして、母ちゃんソックリな俺が産まれた。
だが、母ちゃんは、苦労を全く見せずに目一杯の愛情を注いでくれた。
俺は母ちゃんから沢山の愛情を受けスクスク育った。
冷蔵庫からビールを取り出す。
プシュッ
ぐびぐびぐび・・・
「はあ―」
だがやっぱり、母からの愛情だけじゃ世の中は渡っていけないんだ。
世の中は顔の良いやつがのし上がって行くんだ。
「風呂入るか。」
シャツのボタンを外し、スラックスを脱ぎ、パンツも脱ぎすて、風呂場に行く。
脱衣場の鏡に映った姿に気がつく。
うぉぉぉぉ―――――――――♡♡♡♡
なんとっ!!
キレイな裸体が目の前にあるじゃないか!!!
母ちゃん譲りなのか、たわわに実った2つの山を俺はマジマジと眺める。
さ、触っていいのか。
いいに決まってるじゃないか、これは俺の体だ。
俺は一晩中、自分の体を研究した。
もしかしたら、これは神様からのプレゼントかもしれない。
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