七夕と浴衣
======== この物語はあくまでもフィクションです ======
============== 主な登場人物 ================
物部満百合(まゆり)・・・物部一朗太と栞(しおり)の娘。
久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。
大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。
福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。
依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。
服部千香乃(ちかの)・・・服部源一郎とコウの娘。
南原未玖(みく)・・・南原龍之介と文子(ふみこ)の娘。
山城みどり・・・山城順と蘭の娘。
愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。
久保田あつこ・・・健太郎の母。警視正。
久保田誠・・・警視庁警部補。
大文字伝子・・・おさむの母。EITO東京本部隊長。翻訳家。
大文字学・・・伝子の夫。おさむの父。小説家。
山城蘭・・・みどりの母。美容師。
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==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==
==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
※7月7日は七夕で有名ですが、実は「ゆかたの日」でもあります。 七夕は機織りの技術上達を願うお祭りだとも言われており、多くの人達に浴衣に親しんでもらうキッカケになればと制定されました。
日常生活において、夕涼みやくつろぐことを目的として生まれた普段着が浴衣です。 そのため、夏祭りや花火大会など、カジュアルな服装で行ける場所であれば、どこでも着ることができます。
七夕とは、月の満ち欠けで暦を策定したもので、一年が約354日となり閏月で調整を行っていたものです。 8月20日ごろが旧暦の七夕(7月7日)にあたるといわれています。 つまり、8月の七夕祭りは旧暦を元に七夕を祝っていることになります。
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7月7日。午後4時半。久保田家。
ミラクル9は、久保田家に集まり、久保田あつこと、山城蘭は満百合、めぐみ、悦子、千香乃、未玖、みどりの着付けをしてやっていた。
今日は、久保田家のマイクロバスで飯田橋近くの東京大神宮に参拝に行く予定をしていた。
「みんな、よく似合うなあ。みんな、お母さんの『お下がり』だって?健太郎達は着ないのかい?」と、久保田警部補は言った。
「着るわよ。『男子』は後。着替えるだけだものね。メイクしたい人いる?」と、あつこが言うと、健太郎もおさむも悦司も黙った。
「失礼しました。楽しんでおいで。」と、久保田警部補は言った。
午後5時過ぎ。地下駐車場。
皆は乗り込み、バスは出発した。高速道路に入ろうとした時、追い越し車線を通って追い越して行った自動車に拳銃で狙撃され、運転していた久保田警部補が気を失った。
肩から流血している。自動車は蛇行し始めた。
すぐに、近くにいた、あつこが夫をどかそうとしたが、上手くいかない。
「健太郎!お父さんの上に乗って、運転しなさい!!」
「ええ?出来ないよ!かあちゃん。」「出来ない、じゃない!ハンドルを固定するのよ。向きは私が何とかするから。」夢中で言う通りにした。
まるで、映画の1シーンだ。珍しく、おさむは焦った。
そして、思わず叫んだ!「ワンダーウーマーン!」
子供達は、自然に唱和した。「ワンダーウーマーン!」
オスプレイの音が頭上に近づいて来た。
マイクロバスが、防護壁を突き破って、崖にダイブしそうになった時、マイクロバスは、宙に浮いた。
悦司は、窓から外を見て驚いた。「あっ!!」
おさむも、皆も窓から身を乗り出し、信じられない光景を見た。
オスプレイからロープが降りて来ていて、それを掴んだワンダーウーマンが、『真実のロープ』をマイクロバスに巻き付けて、結果、オスプレイがワンダーウーマンとマイクロバスを吊って移動していた。
そして、今度は、スーパーガールが子供達を安全な場所に運んだ。
全員が救出された後、エマージェンシーガールが言った。
「みんな、無事で良かったな。」
おさむは、また驚いた。ワンダーウーマンもスーパーガールもエマージェンシーガールも、母親の伝子だったからだ。
「・・・・・・・あむ。さあむ。おさむ。」自分を揺り動かす悦司と健太郎の声に、おさむは、目を開けた。
「何、寝てるんだよ。もう着いたよ。」
午後10時。大文字伝子のマンション。
「寝たよ。」「疲れたんだな。こんなの置いとくからだよ。」
伝子は学に見せたのは、三つ折りのフォトケースだった。
1枚目に伝子が大学祭で着たワンダーウーマーン、2枚目に敵との戦いで一時期着たスーパーガール、3枚目に、おさむが産まれた頃のエマージェンシーガールが写っている。
「おさむに見つからない場所にしまっとけ、高遠。」「はい、先輩。」
おさむがトイレに起きて来たので、伝子は慌てて隠した。
「父さん、浴衣・・・。」「ああ、大丈夫。明日、洗濯するから。」
おさむがトイレに入った時、2人は、こっそり笑った。
―完―
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