第2話 孤独少女は承つがない

 ある時、友達に出会った。ずっと古い友人で、とても古い友人だった。友人の名前はレミアと言う。


 それはレミアからの接触だった。昔に連絡先を交換したのだろう。私はそのことをすっかり忘れていたけれど、彼女はそれを思い思い出して私に連絡を取ってきた。


「久しぶり、今度会わない?」


 予約するとそんなことを話した。本当はもっと長かったけれどでも長かったと言える位にも話は盛り上がった。


 私はその友人のことが好きだったし、友人もきっと私のことを悪くは思っていなかっただろう。それぐらいの事は信じたい。


 だから、話が盛り上がったと言えば、そういうわけなんだろうけれど。私は友人と話したのは、久しぶりでとても気分が舞い上がったと言うのもあるにはある。


 私は孤独であると言う事は前述したけれど、でもそれは同時に誰かのぬくもりを求めていると言うことでもある。それぐらいの自己分析は私でもしている。私はとても人恋しい人なのだ。


 私の周りには誰もいないけれどね。


 だからその友人が話しかけてきてくれた事はとても嬉しかった。その友情長続きしてあげたいと思った。でも私にはどうしたらいいかわからない。今までそう思った事は何度かあったけれど幾度と無く私は失敗してきた。この友人との関係だってたまたま壊さなかっただけで続けることができなかったし、だから今回もどう続けて続ければいいのかわからなかったまた壊してしまうのではないかということが怖くて、私は友人とどう連絡を取ればいいのかわからなかった。


 でも、でも彼女は私に話しかけてくれた。それからも何度も行くのかと話した。それはとても面白くて楽しくて、きっと幸福な瞬間だったのだろうと思う。


 もう何度目かもわからない。会話の後に、ようやくあの話に戻った。


「今度カイネちゃんの家に行くんだけれど、一緒に行かない?」


 私は二つ返事で承諾した。それはとてもうれしい提案だった。概ねも昔の私の友人でもあるし、とても楽しい場であることを期待できると思った


 私はかいねの家に行く。

 

 正直、私は驚きを隠せなかった。いまだにカイネとレミアが仲良くしていると言う事実が、正直なところほど驚いた。確かに昔の時点において、彼女たちはだろうけれど、そんなに長い間友情の接続をすると言う事はとてつもない労力ととてつもない才能の賜物である事は私には簡単にわかった。なぜなら私は孤独だから。


 カイネの家では万丈遊戯を行った。3人で、それはとても楽しかった。私はその遊戯を初めてだったけれど、とても楽しかったけれど、楽しい時間はすぐに過ぎる。そして私は楽しさを従前に感じていたわけではない。なぜなら私は緊張していたから。


 とても緊張する。人前に出るのは人と話すのは、人と関わるのはまた彼女らに嫌われるのではないかと。私は不安で不安で仕方がない。ずっとそうだ。ずっと怖いよ。みんな怖い。みんな怖いけれどでもいつまでも私はこの恐怖から逃れられない。何をしても、こんなふうに楽しい時間を過ごしていても、私は心の中ながら生きて生きていくしかない。ずっとそんな息をするしかないんだ。そんな息をして世界にいるしかない。そんなふうに感じざるを得ない。


 それから何度か同じように言で行った。同じように遊んだ。私は少しずつ慣れてきて少しずつ不安を忘れていた。いつまでたっても不安は残っていた。けれど、それは少しずつ小さいものになっていた。そんなふうに錯覚する。そんなふうに錯覚していたのだろう。私は私はそうやって勘違いをしていた。そうやって忘れようとしていた。けれど、いつまでもそこにあることを忘れるわけにはいかなかったのだろう。


 それは小さな失敗だった。不安を忘れていた私への罰だと思う。ほんの少しほんの少しだけれど、私は水をこぼした。


 それで私を思い出す。私はそうやって失敗する人だって。だから、こんなふうに楽しんでちゃいけないんじゃないかってそんなことを思う。思わざるを得ない。


 彼女たちは、綺麗な人だ。姿がと言うわけではない。その高潔な精神が、とてもまぶしい。


 美しい精神だ。私にはないものだ。美しい精神だから、私をこんなふうに友人として迎え入れてくれたのだろう。


 でもきっと私が近くにいればその美しい精神を怪我してしまう。壊してしまう崩してしまうだからダメだ。だから私はこの母から離れないといけない。今すぐにすべての連絡を取って、またいつものように空に閉じこもらなくちゃいけない。今までのようにずっと孤独でいなくちゃいけない。ことぐらいわかっていた。わかっていてもわかっているから、もう少しだけそんなことを思っちゃう思ってしでも、それは私の弱さだ。


 ひとりでいることが怖くて嫌で不安でだから、こうやって誰かといることがとても楽しくて嬉しくて、幸福なように錯覚してしまうからこそ弱さから逃れようとするのだ。でも、それは無理だ。それは本当に錯覚なものでしかない。神の幸せはここにはないことぐらいわかっていたいや。幸せはあるのだろう。僕が幸せの終着点なのだろう。でも、それは私には感じ取れないものだ。私が感じることができない。私の愚かで、ひ弱で残虐でそんな精神性では到底感じることができないものだ。だからこの場所にちゃいけない。そんなことを思いつつも、私はここにいる。私はこの錯覚の中の幸福の中で息をする。生苦しいことを忘れようとして息をする。

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