3 現状

「テナ、もう一度確認だ。」


「はい、ご主人様。現在私達は、ゼクスの街外れにあるログハウスの執務室におり、他のメイドや執事を含め、商会本部長や部隊長等は各業務、各々場所にて滞りなく励んでおり、またこれに関しては全くの問題はございません。」


「あぁ、そのようだな。」


 コンソールから確認したが、各長たちが反乱したり、離職した形跡はないようだ。よくもまあ、主人の不在中も全員残っていたな。


 ZEXUS onlineの時は一定期間ログインしなかったり面倒見なかったりすると離反するケースもあった。


「次に、ご主人様が不在の間の収支報告を致します。ご主人様が経営する武器防具雑貨の商会、また、全てを扱った比較的安価なスーパーマーケットはオープンからここまで大盛況で、変わらず安泰と言えます。引き続き維持、向上できるかと……」


「次に、部隊訓練成果についてですが……」


 そう、淡々と報告を上げる彼女は俺の右腕的存在で、各商会や各部隊、メイドや執事などをまとめるトップである。彼女がまとめてくれるおかげでここまでこれたし、俺が方針を決めるだけで上手く仕上げてくれる、なんでもできるマンなのである。


「ご主人様!聞いていますか?」

「あ、うん。今日もテナはかわいいなと思って」

「な、何を言っているんですか!ちゃんと聞いて下さい!」


 そういいながら顔を赤めるテナもかわいい。


「まぁ、なんだ、特に問題は無いと。俺が居なかったのにさすがテナだな。しっかり管理してくれてありがとう」

「そんな、私は大した事なんて……ただ皆、ご主人様の恩義に報いようと一生の忠誠を誓ってます!あと優しくて強くてかっこよくて、何でもできて……(大好きで……)」


 途中からブツブツと言っている。


「あー、なんだ、とりあえず各所現場周りも行かないとな、みんなの顔も見たいし。」


「はい!絶対その方がいいです!みんなも待ってますし、喜びます!」

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