第3話 起きると少女に、リビングには魔王 上

 次の日。


「ん……んんっ………くちゅんっ………はれぇ?」


 祈は、自身の体の違和感で目を覚ました……などという事はなく、自分が生きている、ということと、謎の寒さを感じて目を覚ました。

 もぞもぞ、と布団から上半身のみを起こして、自分の部屋を見回した。


「んぅ~……ぼく、死んで、ない……?」


 手を前に突き出し、ぐっぱぐっぱと手を握ったり開いたりする。

 首を動かしてみたり、胴体を捻ってみたり、ぽんぽんと頭を叩いてみたり、色々して自分自身が生きていることを確認。


「あれれ? やっぱり死んでない……あれは夢、だったのかな? それにしては、とっても痛かったけど…………あれ? 買い物袋……どうしてここに……?」


 現在の状況に頭をかしげていると、ふと追加で買い物に行った荷物があることに気付く。

 しかし、祈にはどうやってここに帰ってきたかまったくわからない。


「あ、そうだ。スマホスマホ……あ、ぼくの服……ぼろぼろで、血まみれ……ん~、やっぱり昨日のこと、夢じゃなかった、のかな?」


 とりあえず、スマホで確認と思ってベッドから降りスマホを探す。

 昨夜穿いていたズボンの中に入れていたことを思い出してズボンを探すと、ベッドのすぐ近くに無造作に落ちていた。


 よく見れば切り裂かれており、おびただしい量の血が染み込んでいた。

 幸い、ズボンの方は特に問題はなかったようで、祈はズボンのポケットをまさぐると、スマホを発見。


「あったあった。え~っと……あれ? 着信がいっぱい……って、お昼になってる!?」


 そこで祈、今が朝ではなく昼だと気づき、珍しく大きな声を上げる。

 時刻は十二時だ。


「あわわわわっ! ど、どうしよう!? これじゃあ無断遅刻だよぉ~! え、えーっと、とりあえず、き、着替えっ!」


 遅刻はまずいと、大慌てで制服を引っ張り出し、身に付けようとしたところではたと気付く。


「……あれれ? そう言えばぼく、こんなに声高かったかな?」


 そう思い、あー、あー、と喉を触りながら軽く発声をしてみる。

 自分の声だからと言うのもあるが、聞きなれない声が自分の喉から耳に伝わり、違和感を覚えた。


「ん~……やっぱり高い、かも? それに、なんだか肩も重い気がするし、服もなんだかちょっと胸のあたりがきつ、い………………あれ~?」


 自分の体に普段感じたことがないレベルの違和感。

 それに気づき、特に最も気になる胸のあたりに目を落とすと、そこにはなんと、


「……あ、お胸がおっきくなってる!」


 二つの大きな膨らみがあった。

 そして、違和感はそこだけではなく、股間部にもあった。


「…………はっ! なくなってる! しかもぼく、裸だ!」


 そう、唯一祈を男と認識できるアレがなくなっていた。

 妙にすーすーすると思ったら、裸でもあった。

 むしろ、なぜ起きてすぐに気付かなかったのか。

 その辺りは、さすが祈と言えるだろう。


「あ、アホ毛! ……は、よかった、ちゃんとある」


 祈のトレードマークであるアホ毛は、祈個人としても気に入っており、おそらく祈が唯一自分の体で気にする部分だ。

 ほぼアホ毛だけを気にするのはどうかと思うが。


「あ、一応確認しないとかな、制服着られなくなりそうだし」


 もっと気にするところがあると思うが、これが祈である。

 そもそも、死にかけて目を覚ましたら、なぜか性別が変わっている、と言う状況は普通の人であればかなりの恐怖的状況だろう。

 しかし、祈はまったくそんな素振りを見せない。

 まあ、これには理由があったりするのだが……。


「姿見姿見……わ~、本当に女の子になっちゃってる!」


 姿見の前に立ち、自分の姿を確認した第一声がこれであり、なぜか少し嬉しそうだった。


 ともあれ、姿見に映るのは、男の娘だった時の祈以上に可愛らしい少女だった。

 髪はやや伸び、肩よりも少し長くなり、白から白銀に近い色に変化。

 顔立ちも、もともと女顔で可愛らしい感じだったが、れっきとした女になったことで、紅の瞳はくりっと大きくなり、鼻筋もスッと通って綺麗に。

 口も淡い桜色になり、見るからに柔らかそう。

 肌も、もともときめ細かく、それでいてシミ一つない真っ白なものだったが、それ以上に肌が綺麗になっており、すべすべでぷにぷに、玉子肌とはこのことである。

 身長は低くなり、大体百五十前半程度。

 身長が低い割にはスタイルが良く、明らかに巨乳と言えるほどの胸でありながら、腰はきゅっとくびれていた。

 手足もスラっとしているため、グラビアアイドルのようなスタイルと言える。


 総評、ものすごい美少女。


「すごいなぁ~、ぼく、男の子から女の子に……世界って不思議なこともあるんだね~」


 普通はない。

 相も変わらず、ぽわぽわ~っとしたオーラに、見ているだけで癒される笑顔を浮かべて、そんなことを言うが、もう一度言う。普通はない。

 通常のTS主人公であれば、


『なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!?』


 とか叫ぶのが定石であり、鉄板だ。

 しかし、祈は全くそんなことはなく、むしろやや嬉しそうである。


「くちゅんっ! そうだ、服を着ないと、風邪引いちゃう」


 自分が少女になっていることに興味津々に見ていると、可愛らしいくしゃみが出た。

 それで服を着ようとしていたことを思い出し、クローゼットを漁る。

 背は縮み、ただでさえ華奢だった体がさらに華奢になったことで、自身に合う服があまり見つからず、結果として、


「とりあえず、これでいいかな?」


 Yシャツに、中学生時代のハーフパンツとなった。

 理由は、Yシャツであればぶかぶかであるため、大きくとも上半身を隠せるから。

 ハーフパンツが中学生時代なのは……今のサイズでは大きくて穿けず、中学生、それも一年生の時のサイズがピッタリだったからである。


 ちなみに、昨日までの祈が穿いていた体育のズボンは、何気に……女子のズボンとほぼ同レベルのウエストサイズである。

 なんだったら、それよりもやや小さい。

 これを知った女子たちは、それはもう……羨ましがり、膝から崩れ落ちたそうな。


「うん、これでよし。それじゃあ次は……」


 くぅぅ~~……。


 次の行動に移そうと思ったところで、祈のお腹が可愛らしく鳴った。


「そう言えば、昨日夜ご飯食べてなかったっけ。それに、今はお昼だし……うん、まずはご飯かな~」


 あはは~、と笑いながら祈は食事を摂るべく、買い物袋を持ってリビングへ向かう。


「ん~、かなりお腹空いてるし、ガッツリお肉でも食べようかな~。たしか、挽肉があったはずだし、玉ねぎもあるから……うん。ハンバーグにしよう」


 階段を下りながら作る料理を決める。

 料理手順を頭の中で思い浮かべながら、あれとこれも、と呟きながらリビングへと入ると……


『――――。――――――』


 リビング(畳)にて、黒を基調に一部赤の装飾が施された、ゴスロリのような服を着た謎の女性が優雅に紅茶を飲んでいた。


「……え~っと、どちら様でしょうか?」


 さすがの祈も、これには困惑したようで、首をかしげながら目の前の女性を見つめる。

 しかも、何かを喋っているようなのだが、何一つ理解できない。

 英語かな~? と祈は思ったのだが、どうにも違う。


 そのため、どうすることが正解なのか考えていると、目の前の女性は何かを思いだしたかのようにぽんと、手を打った。


「―――――これで理解できるか?」

「わわっ、日本語!」


 なんと、よくわからない言語で何かを呟いと思ったら、いきなり流暢な日本語をしゃべりだし、祈は思わず目を丸くした。


「ふむ、この言語は『にほんご』と言うのだな? 少々覚えるのに手こずりはしたが、無事習得できていると見て、問題ないようじゃな」


(覚えた? えっと、この人は何を言っているんだろう?)


 満足げに話す女性を見て、祈はどうした物かと悩み、女性を観察してみる。

 容姿は、腰元までまっすぐ伸びた、夜空のような深い漆黒の髪。

 瞳はやや吊り上がり、アメジストを彷彿とさせる澄んだ紫色。

 綺麗な赤で縁取られた口からは、鋭い犬歯が覗く。

 座っているため正確な高さはわからないが、身長は推定で百六十センチほどであり、よく見ると均整の取れた体つきをしている。

 しっかり出るとこは出て、引っ込むところは引っ込んでいるので、女性に羨ましがられるタイプのスタイル。

 美少女か美女かで訊かれれば、どちらかと言えば美少女寄りだ。


(雰囲気を見る限りだと、外人さん、かなぁ? でも、綺麗な黒髪だし……あと、一応不法侵入、だよね? だけど、悪さをしていたようには見えないし、むしろ……ぼくを待ってたように見える、よね?)


 祈の善悪を見分ける直感力が優れており、目の前の美少女からまったく悪意を感じていなかった。

 むしろ、少女は祈からいい人判定を既にくらっている。


(ん~、とりあえず色々聞きたいけど、お腹が空いているし……うん、材料もあるだろうから――)


「あの、ぼくこれからご飯にするんですけど、よかったらあなたも食べますか?」


 色々な事情を聴くという過程をすっ飛ばして、祈は目の前の少女を食事に誘った。

 普通であれば、何者だ、とか、ここで何をしている、とかを訊くのが普通なのだが、まあそこは祈なので、マイペースである。


「……む? え? は? よ、よいのか?」


 突然食事はどうか、と言われてきょとんとした。

 そんな様子の少女を見て、にこやかに笑いながら祈は肯定する。


「はい。なんとなくですけど、あなたに助けられたのかな~、なんて不思議にも思っていまして……それに、ぼくが起きるのを待ってくれていたんですよね?」

「まあ、そうじゃな。おぬしが起きるのを待ってはいたが……」

「そうだったんですね! それじゃあ、食べて行ってください。ぜひ!」

「そ、そうか。では、厚意に甘えるとしよう」

「はいっ」


 にこっと嬉しそうに笑う祈を見て、少女は思わずドキッとした。

 しかも、祈は気づいていないようだが、どこか顔が赤い。


(くっ、女にしたが、これは何と言うか……素晴らしい、の一言に尽きる。なんじゃ、この可愛らしい美少女は! 既に、男の時からポテンシャルは計り知れなかったが、これは異常じゃ異常! ……むふふ、魔法は大成功と言えよう。……しかし、突然性別が変わった割には、あまり慌てているように見えぬ。もっとこう……混乱すると思っておったが……この者、不思議な存在じゃな。見ず知らずの妾に、食事を出そうとするとは。ますます気に入った。特に今の姿が素晴らしい)


 少女は鼻歌を歌いながら料理を作る祈を見ながら、内心不思議な存在だと感じた。

 まあ、無理もない。

 突然自宅に見知らぬ人物がいれば、普通は警戒するはずなのにも関わらず、祈からはほとんどの警戒心が見えないのだから。


 むしろ、どこか歓迎しているように少女の目には映った。

 そもそも、自分は人間から見れば、限りなく人間の少女のような容姿ではあるものの、誰から見ても恐怖してしまう存在に見えるはずなのに、なぜ優しく接するのかも少女からすれば不思議だった。


(やはり、ここは異世界、なのか?)


 顎に手を当て、そう判断する少女。

 とりあえず、祈から情報を得ようと考える。


 今現在も台所で自分に背を向けながら料理をする祈に対し、危機感が薄い、とか思いはしたが、祈にはそう言ったものが通じない、なぜか直感的に少女は思った。

 祈からすれば、後ろで座っている少女を不思議に思うが、この少女も祈に対して不思議に思っているのだ。


 それからしばらく、祈は料理に専念し、少女は紅茶を飲みつつ祈をじっと見つめていると、だんだん部屋にいい匂いが立ち込めてきた。


 思わず、少女の喉が鳴り、くぅぅ~、とお腹からも音が鳴る。


(ふむ、この匂いはたまらぬな……この者、もしや料理が上手いのか?)


 向こうの食事は食べ飽きたからの……なんてことも思いながら。

 可愛らしい少女お手製の料理と言うだけで、少女はそれはもう期待していたが、いい匂いがしてきたことにより、さらに期待で胸を膨らませた。

 やはり、食事は美味いに限るからだ。


 そうして、空腹を刺激されまくる匂いに悶絶しつつ、しばらくすると祈がおぼんに料理を乗せてこちらに戻ってくる。


「お待たせしました~。あ、アレルギーとかってないですか?」


 テーブルに料理を置きながら、少女にそう尋ねる祈。

 テーブルには、先ほど献立として考えていたハンバーグだけでなく、シーザーサラダに味噌汁もあった。

 地味にバランスがいい。

 主食はもちろん白米だ。


「あれるぎー? とはなんじゃ?」

「えーっと、食べると体調不良になっちゃう食べ物、ですね」

「なるほど、そう言う類の食糧か。いや、妾にはそう言ったものは存在せぬ。母上がニンニクを食べるとそうなってはおったが、妾は問題ない」

「へぇ~、珍しいですね~。でも、アレルギーがなさそうで安心しました。さ、どうぞ。あ、箸って使えますか?」

「箸、とはこの二本の棒のことか?」

「はい。難しいようなら、スプーンとかフォークを持ってきますけど」

「……そうじゃな。すまぬが、その二つを貰えるかの?」

「わかりました。ちょっと待っててくださいね」


 少女の頼みに、にこやかに答えて、祈は台所へ。

 そこからスプーンとフォークを持ってきて、少女に手渡す。


「礼を言う」

「いえいえ~。ささ、食べましょう。冷めるともったいないですから」

「うむ。では、いただくとしよう」


 祈に促されるまま、少女はフォークを手に取り、メインディッシュらしき肉の塊にそっとフォークで切り取り、突き刺す。

 匂いは香ばしく食欲を刺激する、なんとも嗅いだことのないものであった。

 それ故か、少女は一瞬だけ躊躇ったものの、目の前でにこにこと食べるのを待っている祈を見て、ぱくりと口に入れた。

 すると、少し歯を入れただけで、簡単に崩れた。

 そしてそこから溢れだしたのは、甘い上質な脂と、ほのかに甘い野菜の存在だった。


「むぐむぐ…………な、なんじゃこれは!」


 あまりにも美味い肉の塊に、思わず少女は目を瞠った。


「えっと、お口に合いませんでしたか……?」

「い、いや、そうではない。とても美味じゃ」

「あ、そうでしたか。それはよかったです」


 一瞬、口に合わなかったかと不安に表情を曇らせる祈だったが、その直後美味いと言われたことで安堵するとともに、にこっと微笑んだ。

 それを見て安心したのか、祈も自分の分に手を付けだす。

 慣れた様子で箸を扱い、料理を食べるさまは、少女には綺麗な所作に映った。

 内心、機会があればマスターしてみるのも悪くない、そう思えるほどに。


 ともあれ、少女は一旦食事の方に意識を戻す。

 次に口にしたのは、サラダだ。


 この少女、あまり野菜類が好きではない。

 というのも、少女が住んでいた国の野菜は、あまり味が良くなく、なんとも口に苦みが残り、かなりの青臭さも存在していたからだ。

 ただ、栄養価は高かったので、食べないわけにはいかなかった。

 肉や魚ばかりでは体を壊す者が増えたからだ。

 それらをよく知っていた少女だからこそ、目の前のサラダには少し好奇心を刺激された。


 見た感じ、白いソースがかけられた野菜の中に、何やらこんがりと焼かれたブロック状の肉や、パンのような塊があった。

 少女の知るサラダと言えば、生野菜を適当に皿に盛り、苦みを少しでも紛らわせるという意味で軽く塩が振られた程度のものだった。


 そのため、少女は興味深げにサラダを口にした。

 そうすると、シャキシャキとした小気味いい食感の野菜に、酸味がやや強めの甘みのある白いソース。それから、燻製肉と思しきブロック状の肉に、サクサクとした四角いパンの塊などが、口の中で混ざり合いながら、絶妙な味を作り出していた。

 美味いのだ。野菜が。

 まさかの伏兵に、少女は思わずサラダをパクパクと次々に口に入れていく。

 そこで一旦手を止め、味噌汁に手を出し始める。


「のう、このスープはなんじゃ?」

「それは味噌汁ですよ。わかめと豆腐を入れています」

「ふむ……どれ」


 少女はスプーンで味噌汁を掬うと、口に運ぶ。


「ほぉ……これはまた、なんとも安心する味わいじゃな」


 そしてその味に思わず頬が緩んだ。

 一般的なスープと言えば、どこかとげとげしさがあるものだと思っていた少女だったが、この味噌汁にはそんなものが一切なく、むしろ優しい口当たりしかなかった。

 なんとも深い味に、少女はなぜか心が満たされる。


 そして最後に、主食と思われる白い物を少し掬い、口に運んだ。

 最初はほのかな甘みを感じていたが、噛むごとにどんどん甘くなっていくそれに、少女は驚いた。


 少女の主食と言えば、ほとんどがパンだった。

 味自体は悪くはなかったが、それでも味が薄かったり、やや硬かったりしてあまり好まなかったのだ。まあ、中にはやたらと味の良い物も存在したが、そんなのは稀であった。

 が、この白い物に関しては、嫌いな者などほとんどいないと思えるほどには、素晴らしいと感じるほどのものであった。


 どれも食べたことのない美味で、少女は一心不乱に料理を食べ進めていく。

 味もさることながら、この少女、実は相当な空腹でもあったのだ。

 命からがら逃げ、祈の手当てで魔力を全て使い切り、その上起きた直後は紅茶を飲むくらいしかしていなかったのだ。


 実際、一日紅茶と祈の血(ほんの数滴程度)しか口にしていなかったのである。

 それもあり、少女は瞬く間に料理を食べ尽くした。


 そして、祈も二食分抜いただけでなく、失った血液もかなりの量だったので、祈の方も少女が完食した直後に食べ終えていた。

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