二日目 ~感想~

―――しあわせ日記、二日目。今日は休日。ちょっと寝坊しちゃった。


 今日は休日―――? ってことは、一日目は金曜日だったのかな。

 なるほど、次の日が休日ってこともあって思い切りがついたんだ。確かに、華金はなにかを始めるにはもってこいだもんね。


―――青葉ちゃんからおすすめしてもらったんだもん、三日坊主で終わらせないぞー。おー。


 日記で私の名前が出てくると、ちょっと嬉しいな。でもあの子がなにかを始めて三日坊主で終わってるところ、あんまり想像できないなあ。

 コツコツと積み上げて結果を出す、そんな印象だったから。


―――いっぱい寝たからかな、目がシャキーン! って感じだった。休日はやっぱり至高だねえ。


 にしても茜、時々会社でも「眠い―――」って言ってたし、やっぱり朝弱かったのね。眠れない、夜が短い、とも言ってたから、睡眠があんまり上手くできてなかったのかも。

 もうちょっと、私が気遣えばよかったな。私も眠かったし、茜もそんなもんなんだろう、くらいにしか思ってなかった。


―――インドアの私、家の中にいられるだけでしあわせなんです。


 インドアね―――確かに茜は極度のインドアって感じだったな。私ですら、休日気軽にあの子を外に誘って良いものか、時々悩んだ覚えがある。

 家が好きってのはなんとなく分かるけど、あの子の場合はそれが振り切ってた感じなんだろうな。外出たくない、とまで言ってたし。


―――どうせ家にいるなら周りの皆みたいに勉強しようかなーなんて思う、ベッドの上の私です。


 勉強、これはもしかして英語とかのことを言ってるのかな? 一時期私たちの会社内でTOEICがどうみたいな話が出て、皆こぞって勉強しだしてたっけ。

 でもあの子、やっぱり勉強には手を付けてなかったのね。私もあの子の口から英語の話なんて聞いたことないもん。


 とはいえ、これが二日目だもんね。第一、しあわせ日記をつけ始めたのは、あの子が色々と限界を迎えてたからだし。私は休むって選択肢も、全然アリだと思うな。

 あの子が無理して勉強とかしてなさそうで、ちょっと安心。


―――これから美味しいもの食べる! きっと! 予約制のしあわせです―――!


 ご飯―――? あの子ご飯作るんだ。そんなイメージなかった。いや、この書き方は外で食べるのかな? 三日目に書いてあるのか。


 これで二日目は終わり、ね。うんうん、あの子がニコニコとこの日記を付けているのが目に浮かぶ。


 やっぱりこの日記を読み始めて良かった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る