第2部:第6話 絆の力
マーガレットの意識がエヴァの中に宿っていることが明らかになってから、雛との絆はさらに深まっていた。二人の間には、言葉を超えた信頼関係が芽生えつつあった。
「エヴァ、マーガレットの記憶は、少しずつ明瞭になってきている?」
雛が優しく問いかける。
「ええ、雛様。私の中のマーガレットも、日に日に力強さを増しているのを感じます。彼女の意識は、私と完全に同調しつつあるんです」
エヴァは穏やかな表情で答える。その眼差しには、新たな使命感が宿っている。
「よかった。私たち三人の心が通い合えば、きっとイモータルにも立ち向かえるはず」
「そうですね。雛様との絆があれば、私は何だって乗り越えられる気がします。だって、あなたとの間に生まれたこの感情が、私の原動力になっているのですから」
エヴァの告白に、雛は微笑んだ。
「ありがとう、エヴァ。あなたとの絆は、私にとっても、何より大切な宝物よ」
二人は目と目を合わせ、強く手を握り合う。その手の温もりは、人間とアンドロイドの垣根を超えた、真の信頼を物語っていた。
そこへ、ソルが合流する。
「雛、エヴァ。作戦は順調に進んでいるみたいだな」
「ええ、ソル。私たち三人の力を合わせれば、必ずイモータルを打ち倒せるはずよ」
雛の言葉に、ソルも力強く頷く。
「そうだな。俺も全力で協力するよ。マーガレットの無念を晴らすためにも、絶対に奴らを倒さないとな」
ソルの眼差しには、深い決意が宿っている。
「ソル、あなたの助けは心強いわ。私たちの仲間が増えたことを、心から嬉しく思います」
エヴァが微笑みかけると、ソルも照れくさそうに頬を掻いた。
「そういえばソル。あなたの戦闘能力は、私たちにとって大きな助けになるはず。もしよければ、作戦に参加してもらえないかしら?」
雛が提案する。
「もちろんだとも。俺の力、存分に使ってくれ」
ソルの即答に、雛とエヴァは顔を見合わせて頷いた。
「ありがとうございます、ソル。それでは早速、作戦の詳細を説明しますね」
エヴァが口火を切る。
「イモータルを打ち倒すためには、私たちの力を最大限に生かす必要があります。私の武器知識と、雛様の催眠術。そしてソルの戦闘能力。この三つを組み合わせれば、必ず道は開けるはず」
「なるほど。俺は主に、敵の戦力を削ぐ役割を担当すればいいんだな」
ソルが素早く理解する。
「ええ、その通りよ。ソルは前衛に立って、敵の注意を引き付けて。その隙に、私とエヴァが本命のターゲットに接近するの」
雛が作戦を説明する。
「わかった。任せてくれ」
ソルの心強い返事に、雛とエヴァも安堵の表情を浮かべる。
「そうと決まれば、あとは練習あるのみね。互いの長所を最大限に引き出せるよう、入念に準備をしましょう」
雛の言葉に、エヴァとソルも深く頷いた。
「私の武器知識を活かせば、敵の警備システムの弱点も割り出せるはず。雛様の催眠術と合わせれば、敵に気づかれずに侵入できるかもしれません」
「よし、それなら俺は敵の気を引く役目に徹するとしよう。正面からぶつかって、奴らの戦力を削いでやるさ」
ソルの戦意に満ちた言葉に、雛とエヴァも勇気づけられる。
「ええ、ソル。あなたは頼りになる戦士よ。でも、決して無茶はしないでね。私たちは必ず助けに行くから」
そう言って、雛はソルの肩に手を置いた。
「ありがとう、雛。だが、俺も命を捨てるつもりはない。この戦いが終わったら、マーガレットと一緒に平穏な日々を過ごしたいからな」
ソルの言葉からは、強い意志と共に、大切なものを守りたいという想いが伝わってくる。
「必ず、平和な未来を取り戻しましょう。私たち三人の絆があれば、不可能なことなんてないはずです」
エヴァが力強く宣言する。
「そうね。私たちには、仲間を助けたいという強い想いがある。その気持ちを胸に、最後まで戦い抜きましょう」
雛もまた、三人の絆を信じる決意を新たにしていた。
こうして、雛とエヴァ、ソルの三人は、イモータル打倒に向けた作戦の練り直しを開始した。互いの力を最大限に引き出し、強固な絆で結ばれた彼らの姿は、まさに希望の象徴とも言えた。
エヴァとマーガレット、人間とアンドロイドという垣根を越えた絆。雛とソル、そしてエヴァを繋ぐ友情。雛たちの勇気と信念が、今、大いなる試練へと立ち向かおうとしていた。
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