探し物〈side 美希〉

「あ、ここちゃーん!!いたぁー!ずっと探してたんだよ?」

せっかく練習を抜け出して大好きなここちゃんぱわーを充電しに来たのに、いなかったからがっかりしてたところに、ご本人登場!あああ今日もかわいい!愛してる!天使!

とまあ今日も我らが部長がかっっわいいことを神に感謝しながら、さて、いつ抱き着こうか…と考えていると…

「それはこっちのセリフ!こんなところで何してるの?パートまで行ったのに…練習時間中だよ?今!」

おーっと…怒っているぅ…どうしよ…

「えーと…ご、ごめんなさい…。でも、探してたの?私を?どうしたの?」

「音ちゃんの練習機材とか、譜面とか!トランペットに余ってたりしないの?まあ、人数多いから無くてもしょうがないけど…」

なーんだ、そんなことかぁ!怒られるかと思ったぁ…。

「あるよ?」

「あるの!?」

「なんか先生が、トランペットは人数多いんだから、いっぱい持っときなさいって…。それでもひとつ余ってるだけなんだけどね!」

そう!トランペットは欠かせない主戦力のため、顧問の先生がいっぱい用意してくれたのだ!先生マジ神~。

「…なら早く言ってよぉ…」

部長はなんだかお疲れ気味だが、まあ解決したようだからオーケィっ!

「ところで、その音ちゃんはどこー??」

「今は副部長がBrassBandの説明してる。」

「なるほど…ところで、ここちゃん、疲れてる?」

「君のせいでだいぶね。」

「うっ…ごめんなさい…。…でも、これでここちゃんの仕事終わったの?」

「まぁあらかたね。」

やった!仕事終わってるんだ!じゃあ…

「ここちゃーん!」

ぎゅーっ!

「ちょっ、まっ、」

「私も疲れたぁー!あのね、後輩がねーっっ!!」

「わかった!わかったから!!一回どいて!歩きにくい!じゃま!」

「やぁだぁー!!」

「もーっ!変な目で見られるでしょー!」

「むぅ…。」

振り払われた。まことに不満。とても不満。

いいじゃん別に抱き着くぐらい―っ!落ち着くんだもん!ここちゃん好きなんだもん!

「ほら!練習に戻りなさい!」

「えー…。」

「…本当にここ出禁にするよ?」

「ごめんなさいっ!今すぐ戻ります!」

出禁とか無理!!だって会いに来れなくなるってことでしょ?無理無理無理!!部長には会いに行きたい!絶対!じゃないと生きてけない!

実はキャラより楽器愛より部長愛が強いパートリーダーは、すこししょぼくれながらパートの練習場所に戻るのであった。


「あ、せんぱーい!!やっと戻ってきたんですね!どこ行ってたんですか?部長が探してましたよー!」

「心配かけてごめんね~。ちょっとお散歩行ってたの!部長にはもう会ったよ~。」

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