第5話 幸せなお時間
その予想は当たっていたようで彼はキッチンに立っておりました。
といってもまだ朝食の支度をしていたわけではなく、
どうやら下着に付いた汚れを落としてくださっているところのようでしたので、
彼の親切に感謝しながら洗濯物を干していると不意に後ろから声をかけられましたので
振り返るとそこにはエプロン姿のグレオスハルト様が立っていたのです。
その姿を見た瞬間、思わず見惚れてしまったことは否定できませんけれども!
それでもなるべく見ないように心掛けながら作業を進めますと、
突然後ろから抱きしめられてしまいました。
「きゃっ!? ど、どうしたんですか!?」
慌てて振り払おうとしたのですが、逆にもっと強く抱き締められてしまう始末。
そして耳元で囁かれたのでした。
そして、その言葉を聞いた私は嬉しさのあまり涙をこぼしてしまいました。
それを聞いたグレオスハルト様は慌てふためきながら謝ってきましたけれど、
それでも私は嬉しかったのです。
「ありがとうございます、グレオスハルト様」
そう伝えると同時に私は彼の胸に飛び込み、口づけを交わします。
最初は軽いものでしたが次第に激しくなっていき、
最後には舌を絡ませるような濃厚なものに変わっていきました。
しばらく続けてからようやく解放されましたが、
それでも名残惜しさを感じていましてねだるような仕草をしてしまう私に対して
彼は再びキスをしてくれたのですけれど、今度は先程よりも激しいものでした。
あまりの快感に腰が抜けて立てなくなってしまいまして、
そのまま彼に抱き抱えられるようにしてお部屋に戻りました。
その後は二人でゆっくりと過ごしました。
途中休憩を挟んでいる時に下着が汚れていることに
気がつきまして新しいものを用意いたしましたのよ?
そしてその後は再び畑仕事をしに行くのですが、
その途中で水浴びをしていると突然声をかけられましたので驚きましたが、
それも束の間のことでしたのですぐに受け入れてしまいました。
その後も何度も愛し合いましたけれどもやはり最後は無理でした。
でもとても幸せでしたので後悔はありませんわよ?
それからというもの私たちは一緒に暮らすようになったんですけれど、
毎日が本当に楽しくて仕方がありません。
グレオスハルト様は私のことをとても大事にしてくださいますし、
私もそんな彼のことを心から愛しています。
ですからこれからもずっと一緒ですわよ?
そして今日もまた夜になると愛し合いましたの、それも激しくてもう大変でしたのよ?
でも、それが嬉しかったりします。
だってそれだけ私のことを想ってくださっている証拠ですから!
「おはよう」
朝の挨拶と共にキスを交わすと、私は朝食の準備に取り掛かります。
今日のメニューはフレンチトーストにしようと思い立ち、早速調理を始めました。
出来上がったそれをテーブルの上に置く頃には
彼も起きてきたみたいでしたから一緒に食べることにしました。
グレオスハルト様と二人きりの生活は本当に幸せですので、
大好きな人と一緒にいられるんですもの当然ですよね?
それに彼と過ごす時間が私にとって一番大切だと感じております。
「今日は何をする予定なんだ?」
朝食を食べ終えたところで彼に問いかけられましたので、正直に答えます。
実は最近悩んでいることがあるのですが、それは彼には内緒にしておきたかったのです。
だから適当に誤魔化してみましたが、あっさりとバレてしまいました。
「嘘をつくな、ちゃんと話せ」
と言い寄られてしまい仕方なく打ち明けることになりました。
そうすると彼は真剣な眼差しを向けてきて言いました。
「悩みがあるなら俺に相談してくれ、一人で抱え込む必要は無いんだ」
そんな優しい言葉をかけてくれるだけで胸が高鳴りました。
だけどそれと同時に不安にもなりましたの、
もしもこの話を知られてしまったら嫌われてしまうのではないかと思ってしまって、
それで言い出せなかったというわけなんです。
そうするとグレオスハルト様が突然抱きついてきたものですから驚きましたが、
同時に安心感を覚えましたのでそのまま身を委ねていましたところ優しく頭を撫でてくださったのです。
まるで子供をあやすかのように何度も繰り返し撫でてくれていました
おかげで心が落ち着きを取り戻していく感覚がありました。
そこでふとある疑問が生まれたことを口にしてみますと
即座に答えていただけたことには感謝の気持ちでいっぱいでした。
「ふむ、なるほどそういうことだったのか」
そう言いながら納得がいったという感じの表情を見せましたので、
これでやっと解放されると思った矢先にまた同じ質問をされました。
一体いつまで続くのかと思っていましたが、
いつまでも続きそうな予感がしていましたので覚悟を決めて話すことにしましたわ。
そうすると、グレオスハルト様は黙って聞いていてくださいましたので安心して話を続けることができました。
一通り話し終えると満足した様子で頷いてくれたのを見てホッと胸を撫で下ろしました。
その後、私に何があったのかを説明するように促されたこともありましたので、
私はありのままの出来事を全て話すことにしたのです。
それを聞いていたグレオスハルト様の表情がみるみる険しいものへと変わっていくのを見て怖くなり、
それ以上言葉を続けることができませんでした。
そうすると、彼は私の身体を強く抱きしめてきて言ったのです。
その言葉を聞いた瞬間、涙が溢れてきました。
嬉しくてたまらなかったからです。
私のことをこんなにも想ってくれていたのだと知っただけでも幸せを感じてしまいますが、
それ以上に彼が私のことを理解してくれていることが何よりも嬉しいことでした。
だからこそ、もっともっと彼を好きになってしまうんでしょう。
ふふっ、大好きですよ、グレオスハルト様。
そう思いながら彼に抱きつくと、それに応えるようにキスをしてくれました。
その瞬間、胸の奥底から熱いものがこみ上げてくるような感覚に襲われ、
全身に広がる熱を感じながらも夢中で舌を絡め合っていきました。
しばらくして唇を離すと、銀色の糸が伸びていきやがて途切れましたが、
それでも名残惜しさを感じていたところに再び口づけをされてしまいましたので、
嬉しさのあまり身体が震えてしまいました。
その後も何度も繰り返すうちに頭がボーッとしてきて何も考えられなくなるほど夢中になっていたところへ、
不意に名前を呼ばれましたので反応することができました。
そうすると、目の前にあった彼の顔はとても真剣で、それでいてどこか優しげな雰囲気を漂わせているように感じられました。
それを見た私は思わず息を呑んでしまいました。
なぜなら、それほどまでに魅力的な表情をしていたのですから仕方がないことだと思いませんか?
そう心の中で言い訳をしながら見つめていると、不意に彼が口を開きました。
「どうしたんだい?」
と言われてしまいましたので私は素直に思ったことを伝えることにしたのです。
そうすると、何故か笑われたような気がして釈然としない気持ちになりましたけど我慢することにしました。
それからしばらく経ってようやく落ち着いた頃になって彼から質問を投げかけられたわけですけれど、
その内容というのが非常に興味深く感じられたことからつい聞き入ってしまいそうに
なったもののなんとか堪えることができまして安心いたしました。
というのももしここで余計なことを口走ってしまったりしたら大変なことになってしまいかねませんもの!
ですから慎重に行動する必要があると考えた次第なのですけれどもね、
まあでもとりあえずは様子見といったところでしょうか?
そう判断した上で話を聞くことにいたしましょうかと考え至った私は、
早速口を開く彼に耳を傾けながら相槌を打つことにするのでございます。
「ああ、そうだな……確かにその通りだよ、うん」
その言葉を聞いた途端、全身が凍りつくような錯覚に陥りました。
そして次の瞬間、背筋が凍るような恐怖に襲われたのです。
そのあまりの恐ろしさに悲鳴を上げそうになるも、必死に堪えることに成功いたしました。
(どうして知っているんだろう?)
そんな考えが頭の中を駆け巡っていく中で、次々と浮かび上がる疑問に対して
必死で思考を巡らせようとするも上手くいきません。
そんな状況に陥っていると、不意に彼の手が伸びてきて私の顎を掴み、
無理やり顔を上に向けさせられたのです。
そしてその直後、唇に柔らかい感触が伝わってくると同時に口の中に何かが入ってくる感覚がございました。
それが彼の舌だと理解するまで時間はかかりませんでした。
「んっ……」
思わず声が漏れてしまいましたが、そんなことはお構いなしといった様子で蹂躙されていきます。
歯茎や上顎を舐め回される度にゾクゾクとした快感が込み上げてきて、
身体の力が抜けていってしまうのですが、それでも何とか耐えようと試みますが、
それも無駄な努力に終わりました。
「リアンシューベレナ、もっとキスしような」
「ふぁい」
言われるままに返事をしてしまいまいたが、それが間違いだったことに気づく余裕などありませんでした。
むしろ、この状況を楽しんでいる自分がいることに驚いております。
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