第6話 お試し同棲2日目(いたした話)

今回の内容は、基本的に、婚活としてはアウトな行為であろう。しかしこれが、事実かどうか読者には確認しようがない。事実でない可能性も十分にある。

いんちょさんの良いところでもあり悪いところでもあるところは、オフィシャルなルールよりも関係者のルールが優先するところだろう。他に影響する人がおらず、関係者が問題なければ、それで良いという原理である。


また、題名にいたしたと書いたが、いたしたの定義は結構難しいなと今感じている。

でもまーそれでいいや。


さて、今週も金曜日がやってきた。

毎週金曜日、いんちょさんの部屋にお邪魔することになったので、仕事後、向かうことにした。

着替えなど一式持ち運ぶので、軽い旅行程度の荷物にはなる。

着替えをいんちょさんの部屋に置いておこうとも考えているが、何だか悪いと感じている。特に下着はちょっとなと思う。

ただ、これも時間の問題だろう。


夕食はトウロンポウであった。

台湾風を言っていたので、台湾風でないトウロンポウもあるの?と聞いたが、曖昧な返事であった。卵がウズラの卵ということろに、何かこだわりを感じた。

美味しかった。

食器の片付けは私の役割となったので対応した。洗いがアマイや、洗い方が気に入らないなど、そういうことは一切言わないいんちょさんに対しては、感謝しかない。

多くの男性は、同感してくれると思う。


慣れた感じでお風呂も済ませ、前回と同様、寝る雰囲気がでてきた。すこし早目の時間ということもあったので、二人で映画でも観ることにした。日本語の吹き替えや字幕の映画が見つからなかったので、中国の謎映画になった。いんちょさんは、良いの?と聞いてくれたが、雰囲気で多少は分かるから問題ないよと応えた。

テレビの前のソファで横に並び自然と手を繋いだ。これまで多少はスキンシップをとっていたので、とても自然な流れだった。

いんちょさんの手は温かった。足が触れたとき、とても冷たかった。手と足でここまで温度が違うというのは少し興味深かった。

いんちょさんは多少映画の解説を入れてくれたが、やはり詳細まで内容がわからず、私の注目は映画というより、いんちょさんの手や腕になってしまう。手の甲に軽く口づけなどしていたら、完全にお互いの気持ちはそちらに移ってしまった。

いんちょさんは、「ジーはある?」と何回か聞いてきた。私は頭の中で、"ジー"は"G"に変換され、そしてどうしても"G"から自動的にゴキブリを連想してしまい、理解できなかった。いんちょさんは「日本語がわからないけど、Gはある?」と続けてきた。

文脈を踏まえればどう考えてもあれであった。恐らくGommeのGなのだと今は理解している。そんなつもりはなかったので、準備していないよと伝えると、彼女は残念な顔を一瞬浮かべた。けれども数分もしないうちに、少しだけといんちょさんは求めてきた。

私は問題にならない程度に応えた。


これ以上の記載はとりあえずやめておこう。


ネットで以前、いんちょさんの国の女性はそういうことに積極的でないって書いてあったけれど本当なの?と聞いたら、確かにそうかも知れないけれども、私は違うと答えた。

とてもいんちょさんらしい言葉だった。


脇の処理はしないと聞いたことがあるのだけれどもというと、親の世代はそうかもしれない。最近はノースリーブを着ることもあるので、処理している人は多いはず。私はどちらかというと、処理することに少し違和感はあるとのことだった。

確かにそうなんだろうなと思った。

なぜならば、いんちょさんのそこは処理があまかったからだ。ただ、私は別にそこが嫌だとは全く感じなかった。

面白さや興味深さ珍しさの方が勝っているからである。何となくいんちょさんらしいからだ。


そんな夜であった。









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