第3話

「恭弥ー!一緒に行こ!」


高校の入学式の朝、俺はわざわざ俺の家に来た美薫を見てため息をついた。


「お前なんで来たんだ?そんな近くもないだろ。」


「…どうしても一緒に行きたかったから。」


美薫は項垂れながら小さく言った。


「…分かったよ。じゃあ一緒に行こうか。」


俺がそう言うと美薫は嬉しそうに笑った。

…俺は美薫に凄く甘いかもしれない。まあ、それでも美薫が喜んでくれてるからいいだろう。


俺は玄関から外に出て、美薫と一緒に歩き始めた。


「恭弥、手出して。」


「え?はい。」


俺は美薫に手を差し出すと美薫はその手を握ってきた。


「え?」


「じゃあ行こっか!」


「ちょっと!」


美薫は俺の手を握ったまま歩き出した。登校初日から目立ちそうだが…


美薫の顔を見ると嬉しそうにしている。その顔を見ると俺も強く言えないのでしょうがないと思ってそのまま手を繋ぐことにした。




学校に行く道は事前に調べていたから迷うことなく着くことができた。


校門をくぐると制服を着た同じ入学生がたくさんいる。


「やっぱりたくさん人がいるねー!」


「確かに思ってたより多いな。この学校割と受けてた人がいたんだな。」


俺達が周りを見渡して人の多さに驚いていると、複数の人と目が合った。


何かあったんだろうか。と思っていたが、しばらく考えて今俺達が手を繋いでいることを思い出した。


「おい、そろそろ手繋ぐのやめるぞ。」


「ええー?」


美薫は不服だったが、流石にいつまでも繋いでいる訳にはいかない。俺は手を優しく解くと、貼り出されているクラス表の所へ歩いていった。


「三原恭弥、、、ああA組だ。」


俺は自分の名前がA組に書かれているのを確認してもう一人の名前も探し始めた。


「碓氷美薫、、、あ、私もA組だ!」


美薫ははしゃぎながら言った。美薫が同じクラスなら友達がいて安心だが、同時に少し不安でもあった。


そして、体育館に移動して入学式を終えた後、俺達はクラスに移動して初の顔合わせをした。


俺は席に座り、美薫のほうを観察した。美薫はいきなり隣の人に話しかけられていたが、戸惑う様子もなく喋っていた。


一方俺は男子同士が話しているのを横目に一人でじっと席に座っていた。俺は自分から話しかけることとか絶対に無理だ。美薫と出会った時も美薫のほうから話しかけてきてくれたことで仲良くなったのだ。だが、高校になってわざわざ一人でいるやつに話しかけてくれる人がいるわけもなく、俺はただ下を向いていた。


しばらくした後、クラス内で自己紹介があった。と言っても名前と元の中学の名前を言い、最後に一言言うだけだ。

    

美薫の苗字は碓氷うすいなのでクラスで二人ほど自己紹介をした後に美薫の番がきた。


「では次の人。」


「はい!」


先生が呼んだ後、美薫は元気に返事をして立ち上がった。


「名前は碓氷美薫。元の中学は時雨中学校です。そして—


  そこの三原恭弥君の彼女です!」


美薫は自信満々に俺を指差して言った。一気にクラス中の視線が俺に集まり、静まりかえった。


…俺の学生生活は終わったかもしれない。





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ウヴォエ!!!(致命傷)

思わないじゃん。適当に書いた小説がここまで読んでくれる人増えるとは思わないじゃん。

めっちゃ嬉しいんだけど。


はい、ラブが書けないラブコメ作者です。

また暇があったら書きます。さようなら。











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