6話 食事です!(3日ぶり)



寮内の食堂は私の部屋からだと少しだけ遠くに位置している。

なので、時間的には余裕はあるものの三日ぶりのご飯となれば話は別です。

ですが、私はさっきの事で少しばかり動揺してしまいます。


エリシアの寝顔を少し覗くだけでした。

本当にそれだけだったんです!


く、唇を触るだけではなく、き、きききキスしようとしてしまうなんて、、、


ああ!!いつからこんなになってしまったんでしょうか!



「、、、寝顔可愛かったです。」

寮で生活を始めて3日。

もう、何故でしょう、、。

予想外のことが起き過ぎて身体と心が追いついていません、、。


前まではこんな事なかった筈なんですが、、



これじゃ、エリシアと顔を合わせる事も出来なさそうです。


「はあ、、」



気がつけば食堂の前まで辿り着いていました。

食堂内は時間だけあって人はもう疎にしかいません。

料理の受け渡しのカウンターには人は居らず、並ぶ必要もなかった。



「メニューは決まってるかい?」


優しい声色に合った、見た目通りの食堂のおばちゃんが聞いて来た。

メニューには何かしら書かれていたが此方は選ぶ気力もない。


「ここのオススメをお願いします!」


「あーいよ、じゃあ誰も並んで無いけど隣の方に移って待っててくれるかい?」


わかりました、と了承し隣に移る。

席は何処にしよう?

背後に広がる空いてる席を見る。


其処に一部だけびっくりするぐらい人が居ない場所があった。

その中心には保健室に後から来た3人の一人であるイルミアニス。


と、、、少し離れたところに護衛?使用人?


まあ、何でも良いかと丁度来た料理を受け取り代金を渡す。


が、拒否されてしまった。


「ここは初めてかい?食堂のメニューは全部無料だよ」


はー、そうなんですか。

びっくりです!


この量で無料とは!


「では、今後も利用するのでお気持ちだけ置いていきます。」


ポケットから小さな麻袋を取り出す。

重さ的には、、、、うん多分良いでしょう。


ゴトっと置いてそのまま席に向かう。


背後で驚きの声が上がっていたが、そんなことよりご飯です。ご飯!




「あら?随分と朝は弱いんですね。」

向かってくる私に気づいて声を掛けてくる。

そっちだってたいして変わらないのに、


「眠れなかったですので、、」

床で寝たから当たり前だが、イルミアニスは別の解釈をしたらしい。


「へぇ〜、エリシアさんとねぇ〜?」


ん?何の話でしょう?

確かにエリシアのおかげで寝れては居ないですけどコレは何か大きく間違った解釈されてませんか?


「お二人はもうそう言う仲なんでしょう?」(ニマニマ)


「そ、そう言うとはなんです?」


「一国の姫に言わせるんですか?」(ニヤニヤ)


「な、何か勘違いしてませんか?」


「別に良いのよ?隠さなくても」

彼女は私から視線を外す。

背後を見る様にじっと見て


「エリシアさんこっちでーー」


バッ!!と振り返る私。

其処には誰も居ない。


ーークスクス


「ふふ、まあ後で聞きますけど今は座って食べましょう?」


「は、はい、、、。」


恥ずかしい〜よー!!

頬どころか全身真っ赤ですよ!


少し誤魔化す様に席に着き、料理を食べる。

この世界には前と似たような料理は合っても完全に同じ料理があるわけではなかった。


だから、出された料理がカツカレーであった事に少しだけびっくりした。

身体に少しでも栄養が欲しかった所にカロリー爆弾のコレは嬉しい。


一口食べる。


おお!


レポートなんて出来ませんが美味しいでふ!


もぐもぐと食べ進める。


量もそれなりにある。オススメにあると言う事は女子校ではあるが体力を結構使う授業があるのだろう。


3日ぶりと言う事と此処に来てのカレー!

嬉しさ二倍で手が止まりません!



「ふう、、美味しかったです。」

料理と一緒に来たウェットティッシュ。

(此処だけ見れば前の世界と同じです!)

それで口を拭いて隣のイルミアニスを見る。


何と向こうも此方を見ていた。


「良い食べっぷりね、それだけ体力使ったのかしら?」

また、ニヤニヤしながら揶揄ってくる。


「ち、違います!ただ、此処に来て始めてのご飯だっただけです!」


彼女は驚く。顔も見る見る赤くなってーー


「み、3日も?体力お化けなんてものじゃないわね、、、」


その返答で私も気付く。

三日三晩エリシアと交わっていたのかと聞いているのだ。

全然違う。ただ、誤解を正そうにも正すためにエリシアで、、、あ、あれを、、、い、言わなければならない。


そんなのはダメ!


「ち、違います。私は、、」


まごついてしまう。これでは嘘でもやりましたと言ってるものだ。


もう、こうなれば、、、


「逃げます!!!」

席から立ち、トレーを持ってカウンターへ急ぐ。


ご馳走様でした!美味しかったです!

それだけを言ってトレーを置き、部屋へ急ぐ。







ーーバン!


部屋を開けて直ぐ閉める。

魔力で入り口を固定し一息付く。


ふう。危なかった。


誤解ではあったがそれを払拭する理由があれでは流石に、、、と言う事で結論を付けずにもどってきた。



なんか部屋が良い匂いな気がする?


部屋には誰も居なかった。



床で寝ていて背中が痛く、よく寝れなかった。

今、誰もいません。


エリシアが戻ってくる前に起きれば良いんです。


そう、つまり!


さ、先っちょだけ!


自分で適当に言い訳を並べつつベッドへダイブ。

少し吸えば彼女の匂いがした。


「、、、私気持ち悪いです。」


布団にくるまって寝る。


あっドア開けとかなきゃ、、、


魔力を解いて、、



今度こそ意識を飛ばす。




彼女の匂いは不思議と落ち着くものだった。

彼女らに何かが起きてる、起きる事を知っているのは私だけ。


でも、今だけは、、、ゆっくりと寝る。







あとがきーーーー


見て頂きありがとう!


此処まで読んであれ?と思いますね?


そう!ファンタジーなのにルビがない!

ビックリしますよねー


技の名前を言うのが異世界モノのセオリー。

と言うかじゃなきゃ書きにくいものです。


でもさ、魔力弾て言う総称はありますよ。

火球とか火矢とかさ


でも、ルビでわざわざ

魔力弾(マジックバレット)

火球(ファイアーボール)


とか色々めんどくさいので、割愛しました。


スキルや魔法の説明はそれに補う形で厨二っぽくしたので幾つか抜粋してお送りします。


【プチ解説】


転生者EX [LV.1] 寿命が人の理から無くなる。ステータスの大幅向上。転生者得点

上限はLV.99ステータスの大幅向上により不死に近いが不死とは大きく異なる。


千里眼EX[LV.-]千里先まで見通すもの。

過去、未来。凡ゆる事象を観測出来る。

しかし、自分は観測出来ずただ見るものである。

過去は変えられず未来はその者の努力次第。


勇者EX [Lv.100]世界の危機に瀕した際に自動的発動する危機回遊の装置。資格保有者は生まれたばかりの人であり、後天的には生まれ得ない。使命から逃れることは許されずその身は決して折れてはならない。光属性のデメリットを打ち消す。力は自分の為では発動せず世界、守るためのもののためにのみ発動する。世界の救済のため無慈悲を下す力。

(異世界からの転生者は資格を保有しない。これは世界が定めた世界を正すための装置だから。)

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