閑話
私は知っている
私は知っている。
この映像を外にいる皆が見てなんかいないことも。
善悪が外の皆の票によって決まり、許されるようなものではないことも。
これは罪記による私たちの罪の確認作業だ。
私たちが彼のことをどれだけ覚えているのか。
私たちがどれだけ彼に対して罪の意識を抱いているのか。
ここに集められているのは、彼があの決断をするに至ったきっかけを作ってしまった、いわば因縁のある者たちだ。
きっと、私たちに対して最も怒りを覚えているのは、あの罪記なのかもしれない。
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