«涙»

それは人様に見せていけないもの。

僕は人様の前では絶対泣かない。

どれだけ甘えたくても、

どれだけ泣きたくても、

絶対、泣かない。


どんなに泣きたくても、

泣いてはいけない。

心のどこかで

[泣くな。泣けば終わるなんて絵空事。]

と、セーフティをかける。


僕が泣いた所で何も変わらないし、

同情や共感が欲しいわけでもない。

ただ、僕が泣いているという事実だけが、

そこにはずっと残る。


«震え»

それは僕の病。

心が傷つくと、僕は必ずどこかが震える。

痙攣を起こす。

足、腕、舌、目…

時には、

寒い時と同様に全身。

ありとあらゆる場所が震える。痙攣する。


ほらまた… 震えてる…


薬では治らないその震えは、その痙攣は、

僕の自由を奪い尽くす。

だって… それが起きてしまえば…

行動に制限がつくのだから。


足が震えたら歩けない。

手が震えたらスマホは見れない。

舌が震えたら話せない。

目が震えたら何も見えない。

胃が震えたら食べられない。

全身が震えたら動けない。


決して怠けてる訳では無い。


怠けてるようにも見えるのかもしれない。


[もういっそ、殺してくれ]

って、何度思ったことだろう。


[普通に生まれたかった]

って、何度考えたことだろう。


思ったり、考えたりはするが、

結果として現実に残った事実は、

[僕は二度と普通に戻れない]

ということである。


もしも普通になれたら…

なんて «if» の世界線であり、

僕には到底叶わないことなのだから。

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