《鬱》

それは僕のこと。

僕が乗り越えられなかったものの蓄積。

乗り越えようとも、抜け出そうとも、

逃げ出そうともした。


それでもどうにも出来なかった事。

それは抜かりもない事実。


その蓄積たちで、

僕は全てを失い続け、

病み続けなければいけない。


過去は変えれない。

そんな事は100も承知。

現実も同じくにしかり。


それが事実であり、幻には変えられない。


僕自身が消えない限り、

いや消えたとしても、

僕には永遠にそれは残り、

元凶の一つとなる。


永遠に消えない痛み。


«僕も普通が良かったな…»

なんて何度思ったことだろう…


人様に平等にいつかは訪れるかもしれない それ は、僕には早すぎただけの事。


なんて、何度、

僕自身にいい聞かせた事だろう…

瞬間的には忘れられても、

僕には永遠に それ は、付きまとう。


«楽になれたら»

なんて、何回思った事だろう…

その為に何度自ら死のうとした事だろう…

何度、リセットをかけようとしたことだろう…

回数は曖昧。

年数は覚えてる。


強く… 強く…

«消えよう»と思った時、

忘れないように身体に穴を開ける。

ただの空洞。

その空洞は塞がらないようにピアスとなって、僕の体に刻まれる。

もう既に、12個。

つまり 12回は最低でも死のうとして、

失敗した計算になる。


«生死概念»は、

元から、比較的に強く持ってる方らしい。

担当医が言ってた。

むしろ、強すぎると言ってた。


だから僕は…

«自殺未遂»を辞めることが出来ない。

痛みや苦しみが僕にとって唯一無二、

『生きてる』『今苦しんでる』『今辛い』を

教えてくれる術であり、

それ以外僕には持ち合わせはあいにく無いのである。


なぜ生きてるのか。

どうして生まれたのか。

僕の出生は何処なのか。

家族の中でさえ、知る人は既に居ない。


文字通りの «独りぼっち» である。

それが僕。

教えてとも今更問わない。

むしろ、知らない方が楽なのかもしれない。


だから… せめてものの願いが叶うとするなら

出生が分からない。

誰も知らないのであれば、

死んだ時も誰にも知られたくない。


墓石の前で拝んで欲しいなんて、

葬式をして欲しいなんて思わない。

適当に火葬して、

適当に墓石にいれてくれればそれでいい。

なんなら散骨でいい。

放置でいい。土葬でいい。

適当に可燃ごみとして、

捨ててくれても構わない。


僕は、

そのくらい生きる価値の無い

人間なのだから。

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