第4話 オフィス

久しぶりにオフィスに出社することにした。

コロナでずっと在宅勤務だったので、オフィスに出るのは久しぶりだ。


オフィスに入ると、もう何人かの社員が出社していた。

――結構みんな会社に出てきてるんだ。


会社支給のラップトップをカバンから出し、デスクに据え置きのドックに接続。

さて、仕事開始だ。


カタカタカタ。

聴きなれない音が聞こえた。


顔をあげると、出社していた同僚たちが、全員立ち上がっていた。

カタカタカタ。

奇妙な音を鳴らしながら、同僚たちがぎこちない動きで近づいて来る。


――何これ?

僕は怖くなってオフィスから逃げ出した。

ビルの共用廊下に出て、エレベーターのボタンを押す。


しかしエレベーターは動かない。

するとオフィスの扉が開いて、同僚たちが外に出てきた。


カタカタカタ。

カタカタカタ。

同僚たちは奇妙なお音をたてながら、ぎこちない動きで近づいて来た。


どうしよう。

そう思って手を上げたら音が鳴った。

カタ。


身体を動かしてみる。

カタカタカタ。

ああ、これでいいんだ。

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