第21話 今日はアソブ日♡(お布団編)
アッ♡なシーン、最後はお布団編です。
―お布団編―
時間は0時を過ぎ、日付は変わっている。楽しければ楽しいほど、1日は早く終わってしまうのである。
しかし、1日はこれからだと言わんばかりのやる気と元気で、響の取り合いをする2人のオトナがいた。
「ひーくんは私と寝る約束をしてるの!」
「それは寝るときの話でしょ!寝るまでの間はそんなの関係ないし!」
「もう寝るもん!」
「あの...衣央さん寝てるのでもう少し静かに...」
「ひーくんは静かにしてて!」「ひっきーは黙ってて!」
「は...はい」
争いの火の
バサッ!!
その瞬間、2人が両隣に飛び込んできたのだ。
仰向けの響。右を見れば伊奈瀬。左を見れば永久野。たまらず響は、布団にもぐりこんだ。
しかし響はさらに目のやり場に困ることになった。
もぐりこんだ先にあったもの。それは、大きく育った果実である。響は慌てて目を閉じた。
「さあひっきー。どっちがいいか選びなさい」
布団をめくり、頭上からのぞき込むように見下ろす伊奈瀬が言った。
「でも、どっちにしても一緒の布団で寝るのは私だからね!」
同じように響を見る永久野も言った。
響はただでさえ布団の中で広がる良い香りに頭がぼうっとしているのに、強制的に与えられたのが、この世紀の難問である。
それでも響は目を閉じたまま、頭をフル回転させて考えた。
(顔は両方いいんだけど、どっちかと言えば伊奈瀬。でも性格は永久野で、声は...やっぱり永久野。髪は長い方が好きだから伊奈瀬で、足のサイズは...あああっ!)
さすがは世紀の難問。簡単には答えを見つけられないのである。
諦めかけた響は、無意識に目をあけた。解決の糸口を見つけたのはそのときだった。
(胸だ...!)
そして響は、永久野の胸に飛び込んだ。
「くっ...ふん、いいわよ!明日は私がひっきーと寝るんだから」
そう言って伊奈瀬は、反対側、衣央の寝ている方を向いてしまった。
永久野は胸元にいる響に顔を近づけ、響にだけ聞こえるようにささやいた。
「私の勝ち...だね」
そして響は、体中の骨が折れる勢いで抱きしめられた。その力強さが、響のアレを元気にさせるのであった。
「...離してください」
「やだ」
永久野に開放され、響が眠りにつく頃には、時間は1時を回っていた。
小ネタ)
時間切れ(タイムリミット)についてのおさらいです。オーナーは世界の所有権を持つ者のことですが、王那と契約をしてから1週間で時間切れ(タイムリミット)を迎えます。ただし響の場合は、存在しないはずの2月30日という1日を挟んだので、8日間のオーナーとしての時間があります。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます