第2話 初めての接敵とレベルアップ
俺の頭には一つの言葉が浮かんだ。 ゴブリンだ! ゴブリンと言えば魔物の中で特に弱いと聞いたがどうなのだろうか。あいつらは言葉らしきものを話しているし意思疎通できないのか? 俺は近づいてみることにした。
「ゴフゴフ! ゴフゴフ」
(岩が動いているぞ!)
「ゲラゲラ、ゴフフ!」
(昨日はあんな奴いなかったぞ!)
「ゲラ! ゴフフ、ゴーフゲラゲラ!」
(殺せ! 王への供えへ物にしろ!」
ゴブリン三人組みの中で一人だけ背が他より高いゴブリンがいた。他の奴らがそいつに従っているのを見ると格の高いゴブリンなのか?
鑑定!
ピコン
******************
種族 ホブゴブリン
名前 なし
level 12
通常のゴブリンより大きく背が高い。知能も高く戦闘技術も高い。よく通常のゴブリンを従えている。
******************
やはり、ホブゴブリン。 ゴブリンの進化系かな? あいつが王と言っている奴はゴブリンキングのことなのか?
俺は鑑定の結果を見ながら問答無用で襲ってくるゴブリンを渋々右手で投げ払った。
俺はゴーレムだから簡単にゴブリンを始末できるかと思ったがそうでもないようだ。右手が少し痛む、多分レベルの差かな?
一匹目を投げ払ったがどうやら頭から地面に衝突し、動かないところを見るに脳震盪か気絶していると思ったがそうではないようだ。
ピコン 経験値を100取得しました。 ユニークスキル成長加速の影響によりさらに経験値を50取得します。
******************
名前 なし
種族 ロックゴーレム(幼体)
level1→2!
状態 幼体 軽度の損傷
年齢 1時間23分
称号 なし
HP:1500→1550
MP:350→370
力 :150→155
体力 :950→970
俊敏 :85→87
防御力:200→240
知能 :450
精神力:400
スキル
上級鑑定 上級翻訳 土魔法第一階位 吸収(種族固有)
パッシブスキル
なし
ユニークスキル
成長加速
******************
どうやらさっきのゴブリンは死んでしまったらしいが俺のレベルが上がった。経験値を得たというところか。ざっと見て経験値を1.5倍取得できるのか。そう考えるとユニークスキル成長加速種族はすさまじい能力だな。種族がゴーレムのせいなのかステータスは防御力が一番増える割合が大きい。
「ゴフ! ッゴフフ!」
「ゲラ! ゲ! ゴフ!」
どうやら仲間が一撃でやられたことに驚いたらしいが今度は二人同時に俺に迫ってきた。
だが俺はさっきの一方的な戦闘でステータスが微妙に上がったのか再びゴブリンを投げ払うとさっきより少し楽に感じた。そしてホブゴブリンと対峙したがコイツはゴブリンの上位種というだけであってさっきのようにあっさりはいかない。
「ゴフ、ゴフゴフ!」
ズン!
「ウオー!」
2メートルあるほどの岩と肉がぶつかり合い両者から鈍い音がした。
俺はいまホブゴブリンと手と手を合わせて組手の様なことをしている。コイツのステータスは俺とほぼ互角なんじゃないか? ゴブリンより先にこいつが襲ってきていたら負けていたかもしれない。
俺は空いていた足でとっさにホブゴブリンの睾丸を全力で蹴る。ホブゴブリンの悲鳴がした。睾丸はあるようだ。魔物といえゴブリンは緑色の醜い姿以外にその交わろうとする性欲の強さでも知られている。そのため他種族ともセックスをすることは転生ものにはまっている奴から聞いたので人間同様に痴漢をしてくる変態と対峙しているかの様な気持ちで蹴ってやった。元人間の男であう俺も(今は生殖器はないが)少し股間のあたりに寒気がした。
ホブゴブリンは全力で股間を抑えて立ち止まっている。俺はその姿を見て少し快感がした。
「アア、ゴフ! ゴ、」
「ゴギャ!」
俺は容赦ない2度目の追撃を繰り出した。ホブゴブリンはさっきよりも大きな悲鳴を出し今度は地面にうずくまってしまった。
俺が物理を探求する以外のことで快感を得たのは初めてかもしれない。少し子供に戻ったような気持ちだ。
俺が蹂躙の快感に浸っていると、ホブゴブリンの下半身から緑色の液体と白色の粘液の様なものが混ざって地面に広がっていく。 どうやら俺の追撃でつぶれてしまったようだ。だが白い粘液のようなものは多くないか? 人間の‘それ‘よりも数倍多いように見える。四六時中イチャイチャできるんじゃないか。
俺は少し性的な考えに浸ってしまったがそのような考えを頭の隅に置いて俺は苦しむゴブリンに救いを与えるかのように首に踵を落とし、コイツを救済してやった。
ゴキ!
完全に絶命したようだったが、下半身が魚のようにビクンビクン痙攣し睾丸がつぶれたのに前立腺に残っていた精子で連続で射精をしていた。
哀れだが少し快感がする。
ピコン 経験値を500取得しました。ユニークスキル成長加速の影響によりさらに250の経験値を取得します。
青色のウィンドウパネルが真っ赤に染まった地面を覆い隠すかのように出現した。
******************
名前 なし
種族 ロックゴーレム(幼体)
level 2→5!
状態 幼体 軽度の損傷
年齢 1時間25分
称号 なし
HP:1550→1750
MP:370→450
力 :155→175
体力 :970→1050
俊敏 :87→95
防御力:240→400
知能 :450
精神力:400
スキル
上級鑑定 上級翻訳 土魔法第二階位(New!)吸収(種族固有)
パッシブスキル
なし
ユニークスキル
成長加速
******************
レベルが上がったせいなのか新たなスキルを獲得したようだ。 土魔法が第二階位になっている。 俺は第一階位も使っていないのに。
俺は土魔法を試してみることにした。
土魔法! と念じると頭の中に魔法の情報が流れ込んできた。 俺は無意識の内に魔法を展開するイメージをしていた。
ストーンウォール!
試しに第二階位の岩でできた壁を出す魔法を試してみた。
ズズン!
目の前に今にも崩れそうな壁が現れた。 そして俺の初魔法は10秒もたたないうちに崩れ去ったのだ。
なんだ? 何が悪かったんだ? 第一階位を使ったことがないのに第二階位を使ったのが悪かったのか? 俺にはそのような心当たりしかなく今度は第一階位の中でもっとも簡単にできそうな魔法を放った。
ストーンバレット!
自分の目の前に魔力を集め小さな小石を作成し銃弾のように飛ばす魔法だ。
ガン!
小さな石は壁にぶつかり少しあとを残したかと思えば砕け散った。
こちらは成功したようだ。ではなぜストーンウォールは失敗したのか?
俺は第一階位の魔法を簡単にイメージできた。だが第二階位は少しイメージの解像度が低かったかも知れない。
元の世界の映画やアニメの中から魔法はイメージが大事だと聞いたことがあるぞ。
俺はさっきの事を反省し、今度は深く考えるように目の前に岩でできた壁を作るようにイメージした。
ストーンウォール!
ズズズン!
目の前に洞窟の天井まで届きそうな巨大な壁が現れた。
成功したようだ。
だが、壁を大きく作りすぎたせいなのか少しのあいだ脱力感に襲われた。これは魔力切れなのか?!
俺は神が言っていたゴーレムは魔力が尽きない限り寿命は無限だという言葉を思い出し直ちにステータスを開いたが魔力は半分も無くなっていなかった。
「ふうーっ」
今度から魔法は慎重に使おう。
俺が安堵していると洞窟の奥から足音が聞こえた。音からして5人んだ。敵かもしれないと近くにある岩の後ろに隠れて様子を伺った。
緑色の醜い物体が5つ。 ゴブリンだ!
俺が殺したゴブリンの残骸を見て足を止め周囲を警戒した。
「ゴフ! ゴゴフ! ゴ」
(なんだこれは?)
「ゲラゲラ! ゴフ!」
(誰がこんな事をした!)
どうやら話がつくような雰囲気ではないな。ホブゴブリンが2人もいるのを見るとうかつに攻撃ができそうにない。何とか5人組みを分離させなければ…
俺はゴブリンに特大のストーンウォールを放つことにした。
ストーンウォール!
ズズズズン!
ゴブリンたちが特大の岩の壁に隔てられた間に俺は別れた二人組のほうへ突進し、タックルをくらわす。
「ギャフ!」 「ゲフ!」
勿論俺は岩 2メートルほどの岩が突進してきてゴブリンが生き残れるわけもなく壁に叩きつけられ俺の経験値になった。
ピコン!
レベルアップの音だ。 俺はとっさに残りの3人組みに突進し、2人のホブゴブリン以外は絶命した。
残ったデカいやつ二人にストーンウォールを放ち押しのける。そして一人にタックルし至近距離で首にストーンバレットを打ち出した。
ピコン
そして最後の奴にはお仕置きの金的をくらわし前回と同じようにうずくまっているうちに踵でギロチンをし、救済してやった。
ピコン
かなりレベルが上がったんじゃないか?
ステータスを確認するとレベルは10に上がっていた。
ピコン
******************
レベルが満たされました。
進化が可能になりました。
進化先を表示します。
→ロックゴーレム(成体)
アイアンゴーレム(成体)
ファイターゴーレム(成体)
ケーブゴーレム(成体)
******************
どうやら進化先が4つあるらしい。 俺は青いパネルに対し鑑定を使うと各種の情報が出てきた。
******************
種族 ロックゴーレム
ロックゴーレムはゴーレムの中でも最も普通な種類であり、初歩的な土魔法を操る。ゴーレムは自ら鉱……
******************
はいはい、ロックゴーレムは今のままだ。
鑑定
******************
種族 アイアンゴーレム
アイアンゴーレムは鉄のように固く攻撃力と防御力、体力、耐熱性、魔力の伝導性に優れている。応用的な土魔法を使用し威力と精度の高い魔法を繰り出す。3メートルほどの巨体であり鉱物や物質を吸収し変質できる。
******************
******************
種族 ファイターゴーレム
ファイターゴーレムは接近性の戦闘が得意であり、攻撃力と素早さに優れている。より体のバランスが人間に近くなる。鉱物や物質を吸収し変質することができる。
******************
******************
種族 ケーブゴーレム
ケーブゴーレムは洞窟の中でしか見ることのできない種であり、洞窟の壁などに擬態することができる。防御力と擬態能力に優れており奇襲をかけるのが得意。鉱物や物質を吸収し変質することができる。
この種は生息地を変えないとレベルアップによる進化がこれ以上できない。
******************
なるほど、ロックとケーブはなしだ。つまらないし、まだ生息地を変えるつもりはない。 となると、アイアンとファイターだ。 俺的にはファイターがよさそうに思えるが遠距離で攻撃されると対処が難しい。 そうなるとアイアンゴーレムだ。 魔力の消費がよさそうだし、防御力に優れている。
よし俺はアイアンゴーレムに進化する。
アイアンゴーレム!
と念じると眠気がしてきた。俺は周りに魔物がいないことを確認すると大きな岩の後ろに隠れ、熟睡してしまった。
ピコン!
アイアンゴーレムへの進化が終了しました!
俺は頭に響く鑑定さんの声に起こされた。
鑑定のスキルは便利だな。このスキルがない魔物は生活するのが大変だなとたびたび思う。
ステータス!
ピコン
******************
名前 なし
種族 アイアンゴーレム
level 1
状態 良好
年齢 1日半
HP:2200
MP:850
力 :220
体力 :1500
俊敏 :100
防御力:750
知能 :450
精神力:400
スキル
上級鑑定 上級翻訳 土魔法第三階位(New!) 吸収(種族固有)
パッシブスキル
硬化(New!)
ユニークスキル
成長加速
******************
どうやら進化してからステータスがかなり上がったように感じる。鉄だからか、防御力がロックゴーレムの時とは比べ物にならない程高い。 試しに洞窟の壁を殴ってみたが痛みが全然しなく、傷がついたのは壁だけだった。
また俺は新たに得たスキルを試していく。
硬化は攻撃されないと効果がわからないため、後回しだ。
土魔法!
そう頭で考えると俺の神経回路はものすごい速さで魔法に適応していく。ああっ、流れてくる。感じる。大量の知識が流れてくるのを感じる。第一階位と第二階位の土魔法は数種類しかなかったのに第三階位になると二十近い魔法が使えるので応用魔法と呼ばれるのも納得だ。
「ふうー」
しばらくして知識の同化も終わったし、魔法を試していく。
頭でイメージし、魔力を操作していく。
ストーンネイル!
その瞬間特大の先がとがって鋭い突起のようなものが地面から出現し、洞窟の天井に届きぶつかった。
俺は唖然とする。
ストンウォールよりも大きなものを出現させたのに、ロックゴーレムの時とは比べ物にならない程思考がすんでいて、脱力感もない。 やはりアイアンゴーレムにしてよかったなと俺は思った。
魔法を何度か試し、洞窟の奥に向かって歩いているとしばらくしたところでまた緑の物体にであった。
俺は蹂躙を楽しみ、レベルが3まで上がった。
また歩いていると、洞窟のひらけたところに出た。そこではホブゴブリンが何十匹もいて手下のゴブリンは奥に200匹近い数がいたが、アイアンゴーレムの敵ではない。飛びかかってきたゴブリンの頭を握りつぶし睾丸もおまけに潰しておいた。1分もたたないうちにゴブリンの集落と思われるところで数百の命が消えた。
そして俺のレベルは25まで上がったが、進化はまだしなっかた。
生き残ったゴブリンどもは周囲に叫び合い、奥からホブゴブリンとさらに一回りデカいゴブリンたちが出てきた。
試しに鑑定してみるとゴブリンジュネラルという種だったが、残念にも俺のレベルが上がる前に来てくれれば勝てたかもしれないがこいつらは俺のことを侮ったらしい。
屠っていくがその過程で地面は真っ赤になりさらに2レべ上がった。
さらに洞窟の奥へ進むと大きな木でできた扉が物ともせず破壊し明らかに周りよりも豪華な建物に足を踏み入れた。その瞬間目の前に火の玉が飛んできたのでとっさに左腕で投げ払い。冷静に周りを確認する建物の奥に玉座がありジュネラルよりもさらに二回りデカいゴブリンと親玉の様な豪華な装備をしたゴブリンキングと思われる緑色が玉座に鎮座していた。ジュネラルの陰から木の杖を持った、弱弱しそうなゴブリンが何匹か見て取れる。
そいつは何か変な呪文のようなものを唱えると火の玉がまた出現し、俺に向かっていく。 なるほどこいつの仕業だったか。 アイアンは耐熱性にも優れているため向かってくる火の玉にかすりながらもなんなくさけ、ゴブリンエリートと鑑定したやつもろとも、シャーマンは吹き飛んだ。
かくして、俺とゴブリンの親玉たちの激戦が始まった。
************************************
主人公ステータス
名前 なし
種族 アイアンゴーレム
level 27
状態 良好
年齢 2日
称号 なし
HP:5500
MP;2000
力 :550
体力 :3500
俊敏 :180
防御力;1750
知能 :450
精神力:400
スキル
上級鑑定 上級翻訳 土魔法第三階位 吸収(種族固有)
パッシブスキル
硬化
ユニークスキル
成長加速
************************************
過激な表現が多すぎたため一部削除しました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます