転生したら野生のゴーレムだった All MY SL0NE 被岸への橋掛け
青いワシ
大一章 始動 アグド大森林
第1話 神との会合
ああ…
視界が明るい…
確か俺は…
「っう!」
エンジンから火花を出しながら徐々に高度を下げていく飛行機の中で頭を打って気絶した少年が目を覚ました。
再び機内に衝撃が轟き今度は左側のエンジンが爆発した。
「はっ、 そういえば俺は爆発の衝撃で気絶したんだった。」
俺は藍沢・リュート アメリカから単身帰国中の帰国子女だ。 現在俺は16歳でアメリカでは理系の科目を三年飛び級して大学に入ろうかとしている時に日本が気になって帰国しているものだ。 俺は中学生からアメリカに行き4年で大学に入学するほど物理に夢中になった。 このままではこの飛行機は北太平洋の真ん中に落下するだろう。
着陸できるかはパイロットの技量にかかっている。
[Sir, this is the captain! We are currently descending towards the North Pacific Ocean
for an emergency landing! Current altitude is 2,000 feet. We will be in landing gear shortly.]
「ああ、結構高度が下がったんだな」
[In case of an emergency landing, please assume the brace position! Cover your head wit…]
俺は機内アナウンスで流れた緊急着陸の姿勢をとる。
頭を手で覆い前の座席に頭をつけ背筋を小さくする。
[..p....h......a.....................................]
ッドーン
着陸寸前で機内アナウンスが流れてきたかと思うと10秒もしないうちに機内に大きな衝撃が伝わった。 少しするとだんだん波の音が小さくなった。 陸上での着陸より水上での着陸のほうが遥かに難易度が高いと聞いていたがどうやら成功したようだ。
・・・機内アナウンスは日本語で流します・・・
「お客様、只今洋上での緊急着陸に成功しました。燃料タンクに着火して爆発する恐れがあるため、乗務員に従って脱出をしてください」
緊急着陸が成功したと安堵に浸かって静かになっていた機内が再び騒ぎ出だした。普段開かれるのを見ることができない非常ドアが開き滑り台の様なものを滑って群衆が穴が開いたペットボトルの水のように流れ出ている。誰しもが早く出たいのか小競り合いが多発しているが順調に脱出しているようだ。そろそろ俺の番かと非常ドアが群衆の間から見えてくると本日三度目の爆発がした。
「キャーッ」 「ウワー」
群衆の悲鳴が混じって聞こえてくる。
丁度後ろの席のほうに火がつく。 たちまち群衆がパニックになって扉に押し入る。
「どけ! 俺が先に出る!」
「うぐっ!」
群衆に押される中俺は大柄な男に押され席と席の間に倒れ頭を床に叩きつけてしまう。 頭が痛い…
声が出ない… 脳震盪だ。 段々と視界が暗くなってくる時に乗務員の声がする。
「残っている人はいませんかー?」 「残っている人はいませんかー?」
乗務員とパイロットの声がが何回も聞こえたが俺は反応のしようがなかった。 何とか声を出そうとしても感じるのは頭の痛み。
段々と炎が広がりこれ以上は危険だと判断したのか乗務員が非常口から出るとともに機長とその他のパイロットも滑り台で降りていく。
もう俺はだめかもな… こんなところで終わっちまうなんて一人で乗るんじゃなかった。 後悔するのはもう遅い。 その視界には黄色く輝く炎しか映ってなかった。意識を失うとともに四度目の爆発がし、この飛行機は俺とともに爆散した。
何もないような真っ白な空間
ただあるのは先が見えないような高さの柱が倒れている少年の近くにあった。
「ぅう…」 「ここはどこだ? 確か俺は飛行機の爆発で死んだんじゃなかったか?」
「確かにあの時君は死んだよ」
頭上から声が聞こえる。
いや、頭上ではないこの空間の全方向から声が聞こえる。
「うわっ、 だれだ?」 「誰なんだ?」 「俺が死んだとしたらこの聞こえる声は誰なんだ?」
俺は自ら理解できない現象に直面し、声の主の正体が頭に浮かんだ。
神? な のか? 神だと? 人間は古来より己の理解できないことに直面すると神や魔法などとひっくるめて扱ってきた。だが俺が今直面しているこれはそれよりも遥かに非科学的なような気がした。だが俺はキリシタンの様に神を信じたくはない。 俺が信用できるのは唯一科学だけなんだ。 この世界は物理法則によって成り立っている。 俺はこの言葉を信じながら過ごしてきた。だがこの声は俺の頭脳では原理がわからない。 この声はあらゆる方向から聞こえてくる。 試しに手を耳に当てただが音はさえぎられなかったし小さくもならなかった。
「何を悩んでいるんだい? 君は答えを出したじゃないか。」
「っえ?」 俺はできる限り考えたくなかったがそれは無意識のうちに俺の頭の中を侵食していく。頭の中でなにかが俺の考えを壊していく。
「僕は君たちが言う神みたいなものだよ。」
「もっとも創造主に近いんだけどね」
その時俺の頭には果てしない好奇心が浮かんだ。 幾千万の人々が2000年も探求してきた世界の真理をこの存在から聞き出すことができるかもしれないと。
「残念だけどそれはまだ答えられないな。」
「なぜですか?」
「知識を知ったとしても今の俺にはどうにもできないし他人に教えることもできないじゃないですか?」
例え世界の全てを知って落胆してももう俺には耐えることができると思った。
「ふ~ん。 君はそう思うのか。」
「だけどそういう理由じゃないよ。 僕は君を異世界に転生させてあげようと思ってるんだ。」
「っえ?」
どこかしらの漫画を読んだことがない藍沢には全く想像想像がつかない展開だ。それでもいつしか日本の転生ものにはまっている友人から聞いた話しを彼の脳は必死に思い出す。
「転生って、 その、人が死んで異なる世界で目を覚まして主人公をするやつですか?」
「そうだよ僕は君たちが言うファンタジーの世界に君を転生させようと思う。」
「なぜ俺なんですか?若いうちに飛行機で死んだからですか?」
「そうじゃないよ、君の考えが輝いているからだよ」
俺はふと悩み、心当たりがないので神に質問した。
「俺の考えのどこが輝いているんですか?」
「君の世界への探求欲だね。僕は創造主でも全能じゃないから少し前に君のことを知って拾ったんだ」
「ではなぜ輝いていたら転生させるのですか?」
「僕はもう少し前に君のように世界への真理を求める者たちにあったんだ。僕はこの世界を発展させるという使命を背負っているから輝く考えを持つ死んだばかりの魂に興味を持ってね、今の君みたいに拾い上げたんだ。僕は一番初めにであった存在に願いはなにかと聞くと「ない」といったんだよ。その人は高齢からなのか僕を見て満足したからなのかとても動揺しているのを隠すのがうまい人だった。」
「でも僕はしつこく聞いたよ。 いろいろ質問を出して僕が君を生まれ変わらせられると言ったらね、その人は新たな真理を知りたいと言い出したんだ。 僕がどのような経験をしたいかと聞いたらその人は世界が無数にあると理解して異世界転生して新たな命を歩むことをやめたんだよ。 でも彼は最後に自分の望みとして次からくる人たちを世界に転生させることを望みとして彼は輪廻の輪に戻ることにしたんだよ」
俺は神から知らされてくる知りもしない世界の法則を何とか頭で理解しようと脳のフル回転させているつもりだった。だが俺が知る物理法則と結びつく法則が今知った中ではないようなきがしてきた。
「今の君がいくら考えても僕はわからないと思うよ。」
「無駄に脳を使うだけだから今の話は忘れたほうがいいよ。」
俺は神の言葉を聞きいったん別のことを考えようとした。
「さあ、きみが転生する世界のことなんだけど君が転生する惑星には君の世界の映画などに出てくるエルフや亜人、魔物が住む世界だよ。もちろん魔法もあるよ」
「んん?」
俺は魔法と言われ戸惑ったが確かに日本の転生ものにはまっている奴はそうも言っていたな。
「でも何に生まれ変わるかは僕が決めるよ。」
俺は俺として自由に選択がしたかったが神がそういうのなら仕方がない。だが俺は神のやつのことやその世界の真理を解き明かしたいからなるべく長寿な種族に生まれ変わることを願った。そういえばエルフやドラゴンは長命だと聞いたな。だが魔法があるのならハ〇ポタに出てくるような寿命を延ばす賢者の石や分霊箱などのようなものがあるかもしれない。だが…
「勿論向こうでは寿命を延ばす方法はいろいろあるよ。」
俺が自らの海に浸っている間に神は自分の言葉を聞かないことに不機嫌にもならず答えてくれた。
「じゃあこのルーレットで決めるね。」
俺は神ともあろうものが運で決めることにしたことに驚いた。
「君も知っての通り確率はランダムに動く量子の動きで決まるよ。心配しないでこれはその量子の動きを観測して表す機械だからルーレットを回す強さなどで決まらないよ。」
「それに僕は全能じゃないし未来を知ることはできないよ。」
俺はその言葉を聞いて納得した。だが気になることがあるそれは…
「ルーレットの候補はいろいろあるよ人間、エルフ、獣人、ドワーフ、亜人諸々、妖精、魔人、魔物、ドラゴン、アンデッド、巨人… それに無機物にもうまれかわれるよ。」
「じゃあ回すねー! せーーっの!。」
クルクルクルクルクルクル…
俺は祈った。 どうか長命な種になりますように。
クルクル…
ピコーン!
「おー君はゴーレムに当たったね!」
俺は一瞬戸惑った。 ゴーレムってあの岩が動くやつ…
「そうだよ。だけど君の願いは叶ったね。大体のゴーレムの寿命は無限だから。」
ヨシ! ウシ! 俺の勝ちだ!
「よし!」
俺は心の内に秘める喜びを抑えきれなかった。
「君はロックゴーレムに転生させることにするね。寿命は魔力が尽きなければ無限。」
「ロックゴーレムについては向こうに行ってから自分を鑑定してから色々調べてね。」
俺は見慣れない鑑定という言葉を聞いたが、すぐに理解した。転生もののあれか!
「じゃあ準備してー! いっくよー!」
俺の目の前の空間が歪んだと思ったら俺が見ていた白い柱が段々と遠のいていく。そして目の前の景色は俺の上下で円を描き暗くなったと思ったら、目の前に言葉で表現できないような景色が浮かんだと思ったら頭に激痛がして気を失った。
彼と神との会合から少ししてから…
見渡す限り巨木があるような森林地帯のある洞窟そこに2メートルほどのなんの変哲もない岩があっただがその岩の周りの空間が歪み光輝いた。
今、その岩に命が宿ったのだ。
岩の表面にひびが入り頭と胴体、手と足ができ、無駄な岩は砂となり地面に落ちた。
はっ! 俺はどうしたんだっけ。 ここは?
目のほうに違和感がした目の前がくらい。目を動かそうとすると目の前にひびが入り、外の景色が見えるようになった。どうやら目の前に無駄な岩があり埋まっていたようだ。
そうだ俺は、神にあって異世界に転生したんだ!
ゴーレムの神経回路がすさまじい速度で発達し、これまで自分がやってきたことの記憶が湧き出てくる。少し、頭に違和感がしたと思ったら落ち着いた。
そうだ、神様から鑑定についてここにきてから調べろって聞いたんだった。
どうするんだ? 俺が知っている転生ものの知識では ステータス と念じたり、行ったりすると自分のことについて書いてあるホログラムが目の前に出るんだっけな。
「ステータス」
試しに言ってみた。
ゴーレムの低い声が出る。 岩だが、耳も口もあるようだ。
ピコン
目の前に青色のホログラムがでた。
******************
名前 なし
種族 ロックゴーレム(幼体)
level 1
状態 幼体 良好
年齢 2分
称号 なし
HP:1500
MP:350
力 :150 (平均)
体力 :950
俊敏 :85
防御力:200
知能 :450
精神力:400
スキル
上級鑑定 上級翻訳 土魔法第一階位 吸収(種族固有)
パッシブスキル
なし
ユニークスキル
成長加速
******************
「まじで出てきた。これはどういう仕組みなんだ?」
まあ今の俺には何も手がかりがないがな。
「で、なんだこのステータスは?」
「スキル… 上級鑑定、土魔法だいいちか、いい? 吸収? それにユニークスキル成長加速?」
スキルはわかるがユニークスキルは一人ひとり固有の特別なスキルだと聞いたぞ、だがなぜ俺が持っている? 神様のやつがくれたのか。 ないよりはうれしいが。
「ふむふむ、では自分を鑑定するとするか。」
「鑑定!」
ピコン
******************
種族 ロックゴーレム
ロックゴーレムはゴーレムの中でも最も普通な種類であり、初歩的な土魔法を操る。ゴーレムは自ら鉱物や物質を取り込んでその物質に変質する性質があり、その際種族も変わる。だが変質するには体の大きさに比例し、時間がかかる。
******************
ふむ物質を取り込んで変質することができるのか。となると以前の世界の様に実験などもできるだろう。だが問題は時間だな俺の体の大きさは小さいのか大きいのか分からないがまだ、まだ幼体だ。成体になったらもっと大きくなると考えてよいだろう。もし幼体の時に鉱物を取り込むと成体になった時にどうなるか気になるな。
俺は無数に出てくる疑問の中で今もっとも重要なことに絞って考えた。
自分に鑑定ができるならスキルなどにも鑑定ができるのではないか?
まずは一番気になっていたユニークスキルの成長加速だ。
鑑定!
今度はユニークスキル成長加速を頭に浮かべて念じてみる。
ピコン!
どうやら鑑定は言葉に出さなくてもできるようだ。
******************
ユニークスキル:成長加速
体の成長や傷の治り、進化や変質をしやすくする。植物がスキルとして持っている成長加速よりも大きな効果を持つ。技術や、知識、経験値も微妙に習得しやすくする。
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ふむかなり俺的には万能でかなり良い効果のスキルだが実際に他のユニークスキルと比べてどうなのかと疑問に思う。
試しに他のものも鑑定してみる
ピコンッピコン、ピコン、ピコンピコンピコン…
俺はスキルというものが努力や他の色々な後天的な要因で得られることを知った。また俺の周りの洞窟の材質は褐色岩という岩でこの世界にはよくあるらしいそれにこの岩は見る限り一枚岩だ。なぜこのような複雑な形の一枚岩ができるのか? その答えは鑑定をしているうちに知ったのだった。
ピコン
******************
褐色岩の洞窟(迷宮)
状態:侵入者なし
低級モンスターが出没する褐色岩の洞窟。小型の迷宮。ゴブリン類、コウモリ類、虫類、他未確認の魔物が出没する。
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視線を限定せずに俺の周りを鑑定するようにイメージすると鑑定ができた。ここは洞窟ではなく迷宮だったのか。ならば俺は魔物なのか? 俺的には意思を持った亜人などと交流して文明を発展させるつもりなのだが今のままで俺が人前に出るのは少し危険だな。
自分で長い考察の時間に浸っていると洞窟の奥から声がした。
「ゴフゴフゴフ!」
「ゴフゴフ、ゲラゲラ!」
「カカ!、ゲラゲラ」
俺の目に映ったのは人間よりも少し小柄な見た目をした醜い緑の魔物だった。
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