第6話 うつみ膝栗毛珍道中に合流!








  地元の馴染みのお店、『白煙』で酒を飲んだ私、あらカモはいい具合に酔っぱらったテンションで、うつみーの膝栗毛珍道中に乱入することを決めてからの行動は早かった。


 通話を終了してから、更にもう一杯注文。


 次に、備え付けのカラオケで歌う。


 歌った曲は、多分スキマスイッチの奏、systemFのspread your wingsだったと思われる。


 おかげでノリノリだ!


 このテンションのいきおいそのままにお会計をした私は、借金2500万円、35歳、昭和生まれの屈強な男の女子児童で歌えるニート、うつみ・イ・ジョンソンと合流し、東京駅を目指していい旅夢気分って訳だ。


 ああ、正直言うとね、某護衛艦を建造する地域の駅から乗った電車で寝落ちして、そのままいい旅をしない夢気分と行きたいところでもあったんだ……外、めっちゃ雨降っていたからね?


 しかし、私の意志は、睡眠欲よりもうつみーとの膝栗毛珍道中だったからね。


 合流した方が、絶対に面白いだろ!? HAHAHA!


 そんなこんなで関内、桜木町でちょっと降りて飲みたい、あるいはお姉ちゃんのいるお店で楽しみたい気持ちを抑えつつ、一番ワクワクするルートを選択したのだ。


 横浜駅にたどり着いてからというもの、さっそく借金2500万円、35歳、昭和生まれの屈強な男の女子児童の歌えるニートを探して西口をうろうろ。


 ジェラピケのパジャマを纏った35歳の屈強な男の女子児童ならば、見つけるのも早々苦労をするまでもない。


 西口の交番前で合流し、配信に乱入した私は、酔っぱらいのテンションそのまま、うつみーの般若心経やらなんやらはわからないが、膝栗毛珍道中とやらに参加して楽しもうではないか!


 ところで、膝栗毛珍道中ってなんだい?


 ああ、膝に栗毛やらなんやらよくわからないが、ダーツのクリケットならルールは知ってるぜ?……あ、ダーツ関係ない? HAHAHA!


 オーライオーライ、とりあえずそうだね、東京までの道のりは案内するよ!……茨城県民だけどな! HAHAHA!


 そんな訳で、遠い昔に原付で横浜から秋葉へ通っていた頃の記憶を頼りにしながら、国道1号に沿って歩けばなんとかなるであろうと思い、途中で英語の授業のようなturn left, turn right, あるいはu-turn 等々、ギフトスタンプで右往左往。


 道交法的なものに遵守するべしとヤジを飛ばす自由な酔っぱらいである私をガイドに、カオスな膝栗毛珍道中でなんとか隣の駅まで到着。


 もちろんギフトスタンプでなにかを二人で熱唱しながら全速力で駆け抜けることもあり、35歳の中身はおっさんの二人は青息吐息。


 道中のオブジェクトと化した女子大生を、おっさん二人が熱唱しながら追い越す様は、きっと通報した方がいいと思われる。


 私は私で、懐メロが微妙にわからず、全く違う曲を熱唱していたことは内緒だ……流石にsystemFのspread your wings やら、origa のポリュシュカ・ポーレを密かに熱唱しながら全力疾走したけれど、多分誰にもわからなかったはずだ。HAHAHA!───。








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