第5話 うつみ膝栗毛珍道中の始まり
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ランキング、ただし最後までわからない。
バナイベは初日からぶっ飛んでいた。
ギフトスタンプというものがあり、全種類コンプするとなにか良いことがあるらしい。
今度本人に聞いてみよう。
ギフトスタンプコンプ出来ればいいな、そんな彼の願いは叶って大盛り上がりを見せたのはいうまでもなく、二週目突入!
二週目もコンプリートする頭のネジがイカれている配信者とリスナーたち。
もちろん、あらカモもその頭のネジが飛んだ一員として、配信者、リスナーさんたちと一体感を存分に味わったのだ。
ああ、推し活って……超楽しい!! HAHAHA!
借金2500万円、35歳、昭和生まれの屈強な男の女子児童で歌えるニートである、うつみ・イ・ジョンソンの二日目の配信を見逃した私は、彼の筋トレの成果はどうだったのか、それは配信を観ていた人のみぞ知る神頼み。
神頼みと言えば、突如として始まる般若心経、ズーズー、フィーバータイム、パプリカの大量生産、収穫等々、コメントに乗せて楽しめるアイアムとやらは最高だね!
ここではぼかしているけれど、Xをやっている人、あるいはIRIAMをやっている人からすれば、もう誰のことかはわかるはずだが、この物語はあくまでフィクションなので悪しからず。
もし、興味のあるかたがいるのであれば、うつみの猫ミーム動画が必見だ。
猫ミームは皆様ご存知、麻雀をプレイしている時に八筒(パーピン)、七筒(チーピン)が来たときに口ずさみたくなるあれだ。
多分なにか違うような気がするけれど、前前世においては、ミリしらっていうジャンルの開祖でもあるのだから、きっとなにも問題はない。
麻雀を多分1ミリも知らないと思われるうつみーの前前世、前世で成功を納めた流れからいつの間にか借金を重ね、Vライバーとしてデビューした経緯を知ることが出来るであろう。
そして迎えた3日目、地元である横浜市の某所にある、馴染みの飲み屋『白煙』で飲んでいたときのことだ。
たまたまうつみーの配信を観たくなり、アイアムに入ってみれば今回の企画は、なかなか面白いものであった。
横浜駅から東京駅まで歩く!
ギフトスタンプを貰うと色々なことが起こります……ワオワオワオ!
ちょうど私が、横浜に帰ってきていたタイミング。
乗るしかないよね、このビッグウェーブに!
そんな訳で早速、借金2500万円、35歳、昭和生まれの屈強な男の女子児童で歌えるニートである、うつみ・イ・ジョンソンに対し、初日の電凸からの返礼って訳だ。
「よう、あらカモだ。横浜から歩くんだって?……何時? ああ、なるほど……よし、合流するわ!」
こうして、急遽として酔っぱらいのリスナーである私が、本人からの許可を得て乱入することとなり、ただでさえカオスな配信が、更に輪をかけてカオスになるのであった───。
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