第15話 病人の自宅での過ごし方
寝たり起きたりを繰り返している時期は自宅で過ごすことになる。
入院コースもあったのだが、なんとか自宅で済ませられるように取り計らってくれた。
その自宅でだが、何にもできない時がある。
ただただ耐えなければいけないのだ。
天井のシミでも数えていればいいとでもいうのだろうか。
やれることは限られていた。
特に酷い時はほぼ生きたゾンビ状態だ。
寝ることもできない時は、時間をどうにかする必要がある。
窓から青空に雲がある時は、無心にただ眺めていた。
考える力も湧いてこないので、マントラのように自分の好きなこと、やってきたことを頭の中で曼荼羅化してそれをゆっくり点検していく。
自分が自分でいるため、しっかりと意識を留めておくための儀式だ。
閉じこもりがちな思考にじしんをつけるためでもある。
これもできないほどならば、ネガティヴな考えや言葉は持たずひたすら過ぎるのに専念する。
コツは自らに集中しているのと意識を外に向けるのをたまにスイッチすることだ。
さすがに酷い状態でもそれぐらいはやれるはずだ。
実際私は出来たので、実証済みである。
慣れてくると時間をただ過ごしていることに嬉しみを感じられるようになる。
ちょっと余裕ができて、時間が過ごしやすくなる。
家に篭っていると運動不足になるので、ストレッチや軽い運動はしておいた。
ネガティヴにはならなかった。
むしろ自宅でいることの耐性がついた。
外に出れる時は家のまわりでもいいので出たほうがいい。
そうやって自宅を過ごしてきた。
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