第13話 「紙の」新聞は必要か?

 新聞を読まなくなって久しい。

 ここでいうのは、「紙の」新聞のことである。

 読める機会があって読んでみたのだが、たいしてウキウキもしなかった。

 紙の新聞、讀賣や毎日などのクオリティペーパーを読んでいるかいないかで自ずとその人の教養のランクも決まってくるという。

 果たしてそうだろうか。

 バランスよく各ジャンルが網羅されているというのだが、ネットのニュースでは不十分なのだろうか。

 記事の情報量と質をネットとで比べてみたが、紙の一面記事では明らかに情報量は多いにしても、ネットニュースもコンパクトにまとまっていた。

 足りなければ複数のソースから拾ってこればいいだけの話である。

 AI検索という手もあり、対象のトピックをもっと深めていくこともできる。

 フィルターバブル、というアルゴリズムがネット利用者個人の検索履歴やクリック履歴を分析し学習することで、個々のユーザーにとっては望むと望まざるとにかかわらず見たい情報が優先的に表示され、利用者の観点に合わない情報からは隔離され、自身の考え方や価値観の「バブル(泡)」の中に孤立するという情報環境がある。

 新聞を取らずとも、テレビくらいは家にあるはずだ。

 ネットニュースも複数を横断する習慣をつければ、クオリティペーパーの不足は補えるのではないだろうか。

 コツはメディアごとに興味を(少しずつでもいいので)変えていくことである。

 フィルターバブルは狭窄した環境に身を置いていると起こる。

 なるべく「みる・きく・よむ」を駆使して苦痛にならない程度にニュースをアタマに取り込んで常日頃アップデートしていけば、回避できるだろう。

 大丈夫、紙の新聞が無くても工夫はできるはずだ。

 はじめのちょっとした努力だけで成し遂げられる、これはテクニックなのだ。

 最終手段として図書館も念頭に置いておけば問題はない。

 なお、デジタルの新聞は有料なので考慮に入れなかった。

 もちろん導入すればクオリティはもっとアップするだろう。

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