第11話 イラストの旅〜ジャーニー
イラストの効果は絶大だった。
精神的に癒してくれる。
それは病気にとっても良い方に働いた。
起きていられる時間はずっとイラストを眺めた時もあった。
夕暮れの陽の光の中デバイスに向かっていた。
初めは好きなイラストだけだったが、次第に触手を伸ばし、範囲を広げてゆく。
ただ漠然とイラストを見ていたわけではなかった。
方法論を持って見ることで、見る力を鍛えていったのだ。
その方法論とは、「フォーカスして」見ていくというものだ。
最初は好きな部分から始める。
私は「眼」にフォーカスを当てた。
「眼」が全てを物語ると直感したのだ。
良い眼はその人物を生かしもするし殺しもする。
その点に着目してのフォーカスの当て方だった。
そうやってイラストを見ていくと、これまで漠然としていた鑑賞にパッと明かりが灯り光が入った。
急に解像度が上がった気分だった。
次々にそうやって見ていくうちに方法論が間違っていなかったことを思い知る。
何が良くて何が悪いかが分かってきたからだ。
始めの頃は焦点も狭かったのが、一点を見ながら全体を捉えられるようになってゆく。
感得すると共に観察眼が磨かれていった。
気がつくと少なくとも自信は持っていいレベルまで育っていた。
意識にも変化が訪れる。
(続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます