第10話 久しぶりの強めの発作

 久しぶりに強めの発作が来た。

 発作が起こると、基本的には受動的なことしかできなくなるので、頓服薬を飲んでひたすら耐えることになる。

 実はこの文章を書いているたった今、発作に見舞われているのだが、デバイスの力で何とか文章にできている感じだ。

 休めばいいだろうとお思いだろうが、この感覚を忘れたくなくて、というより悔しくて文字を穿っている。

 そろそろ限界が近いので書きやめるが、後日読み返してみてどれだけだったか確認してみようと思う。


 あれから3時間ほど経っているが発作はおさまっていない。

 ただこうして書けることが存外幸せなことだ。

 ただ辛いだけよりはいくらかはマシだ。

 また限界みたいなので一旦書くのをやめる。


 午前3時頃に目覚めた。

 発作はおさまっている。

 寝床でうんうん堪えていてたらいつのまにか眠っていたらしい。

 激痛が走るわけではないが辛いと苦しいが程よくブレンドされていて、もどかしい時間が悩ましい。

 私の症状は相対的に見ると軽い方かもしれないが、辛いものは辛いので同情までされなくとも良いが少しでも伝わると嬉しい。

 この発作も長年付き合ってきたので、余裕がある時は前向きなことを考えられることもある。

 そういう時はこれまでの来歴を想ったりする。

 発作よ、君とも長い付き合いだなあ。

 発作の後は、何でもない時が愛おしく迫ってくるからなんとも言えない充実感がある。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る