第6話 図書館でもがく

 起きていられる時間は無理に身体をおして図書館にも行った。

 書架を見て回るのだが、それだけで集中力が途切れフッと意識が飛ぶこともあった。

 それでも何とか踏み止まり、執念の力で読む本を選ぶのだ。

 あ行から順に見ていくのだがどこまでちゃんとみていたかはよく覚えていない。

 十数冊を選ぶことは当たり前だった。

 小説を中心に、手当たり次第これはと思ったものを借りていった。

 自宅では、イラストを見ている時間と勉強をしている時間以外の時間を使って読書するのだが、本を前に凝視しているのだ。

 コンテクストを追うのも飛び飛びで、何度も戻ってはを繰り返し、本だけを見ている。周りで何が起こっているなど分からない。

 ただ文章を見ている感覚に近く、それでも文字に齧り付いた。

 途中、病状が悪化して中断したこともたびたびあったが、図書館の読む本がなくなってくるまでずっと続けてきた習慣だ。

 お金もかからないし、あらゆる意味で自分を鍛えられるし、いざとなればオーディオブックもあるしで、病人にとって(そうでなくても)プラスに働くことのほうが多いのでオススメの過ごし方のひとつといっていい。

 ただ図書館に行くのもいいが、戦略的にどこを攻めて(読んでいこうか決めて)通うようにすると長続きする。  

 それも長期な目標がいい。頭の中に漠然とでもいいから、キーワードで組み立てておく。私自身の経験則だ。

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