第5話 その名は『ほぼ日手帳』

 いつ頃からだろう。

 気がつけば、一冊の手帳を使っていた。

 『ほぼ日手帳』。

 株式会社ほぼ日から発売されている手帳で、知ったのは『ほぼ日刊イトイ新聞』というサイトからだった。

 『ほぼ日刊イトイ新聞(ほぼにっかんイトイしんぶん)』は、コピーライターの糸井重里が主宰するウェブサイトだ。1998年6月6日に創刊され、株式会社ほぼ日によって運営されている。

 『ほぼ日刊イトイ新聞』では、オリジナルの読みものを配信し、人々が集う場を提供していて、Tシャツや手帳などのグッズ販売や、書籍の出版も行う。

 ラインナップされているカバーが魅力的だった。

 カバーも手帳本体も、一目惚れといっていい。

 1日1ページ、何を書いてもいいのが気に入った。

 メモと付箋セットも注文し、届いたところで当時お気に入りのペンであるぺんてるのハイブリッドをペン差し用の耳に挿す。

 日記でなくてよかった。

 記録をつけていれば、自分が1日どれだけ生きたかの証拠となって積み重なっていくのだ。

 誰かに見せるわけではない。

 書いて、残すことによって自己を内省することになる。

 この手帳のはじめの頃を見返してみると、ただ行ったことだけを端的な言葉として書いている。

 ――書くのも大変だったか。

 それでも走り書きではなく、一文字一文字何とか書き綴っていたのがよく分かる。

 ぺンはフリクションに変わり、カバーにはさらに透明なカバーをかけるようになったが今日まで毎日休むことなく続けてきたことの一つだ。

 

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