第4話 『大百科』に身を浸すことから
何かしたい。
前回も書いたがときおり起きる衝動だ。
寝たきりの時は寝ている方が多い。
起きていられる時間は限られている。
それでも何年かして、徐々にできる下準備は整えられつつあったのだが……。
頭がうまく働かない。
それでもあろうことか、「勉強する」道を見つけてしまった。
自分をなんとかしたいと思ってしまったのだ。
自分を「変えたい」と思ったら、本を読み、学ぶのが一番である。
その時はそうは思っていなかったのだが、何とか頭を働かさなければという使命感に突き動かされていた。
私は本が好きで、病気になる前からずいぶんと溜め込んでいたのだ。
スタートは小説だったが、次第に知識や考え方を教えてくれる本を集めるようになる。
そんな机には『大百科』という、一冊本の百科事典がちょうどいてくれた。
――まずはこれから始めるのがいいだろう。
頭に入ることなど考えなしに、歴史書、美術書、哲学書などなどとセレクションしていく。
独学の弊害など当時は考えてなどいなかったのだから、今思うと笑いたくなる。
それでもよって立つ柱のようなものが欲しかった。
その頃ちょうど示し合わせたようなタイミングで、一つのものとの出会いを果たす。
それが私を支えてくれる強い力を構成していってくれた一要素だったのだ。
それは次回で明かすことにしよう。
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