第3話 イラストの旅~ビギニング
大体が寝たきりの頃に毎日のようにしていたことのひとつに、絵画・写真・イラストを見る、がある。
常に寝たきりではないのだが、かといって何もできるわけではない。
焦燥感はなかった。ほとんど感情が麻痺してたから。
それでも時折自分を振り返ってしまう煩悶とする時間が訪れて、もがくように、とりあえずできることをしなければと模索し始めた。手探りで探し手繰った。
そのころ起きている時間にしていたことに、パソコンをいじる、があった。
とはいってもあまり高度なことはしてない。
頭が良く働いていないからだ。
そうなるとつくること、知ることよりもよりも受動的な「見ること」へと自然とシフトしていく。
ゾンビよろしくネットを漂っていると、ある時目を引くものが飛び込んできた。
個性的で、手描き感満載のこじんまりとした「イラスト」だった。
私にはクリティカルな効果だった。
もともと絵は好きだったが、これまで鑑賞してきたのは美術館などに展示してあるような絵画で、どちらかというと高尚なものとして捉えていた。
それが、親しみのある身近な存在ながら脳を揺さぶってきたのである。
後から知った、いわゆる萌え絵とも違っていた。
日本的な、日常なのに非日常なのだ。
劇薬効果とは言ったもので、私にとってはコペルニクス的転回となる。
世の中にはこんな絵があったんだ!
これまでの絵もいいが、これもいい!
こうしてイラストを探し求める、暗中模索・渉猟旅が始まりを告げた。
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