第34話

 お仕置き部屋は透明ガラスで仕切られていて、排泄も食事も睡眠もすべてそこでするという所謂、透明な独房のようなところであった。

 暗証番号式のロックがされていて、内側からも外側からも一応ロックを外すことはできるのだが、二人は番号を知らなかったので、まず出れることはなかった。

 下着姿で生活をしないといけなく、羞恥を味わう見世物小屋のような場所なのであった。こうしてエースの見世物となった二人。

 正気を保っていたのは萌香だ。ジュンは薬の効き目もあり、ガラスの外側にいるエースに向けて快楽を求めて淫らな行動をとりつつあった。

 萌香はそれを見てとても心苦しく、だからと言ってどうしてあげることも出来ず、ジュンの薬が切れる事をひたすら願った。

「ねえ、エース様―ぁ、わたくし何でもしますのでどうか褒美をくださいぃ」

 ジュンがガラスに顔を付けてエースを呼ぶ。

 それを見てエースは満悦の様子を見せる。

「そうだ、お前たちに面白いものを見せてやる」

 首輪が掛けられた四つん這い状態の裸のメイドが悦に浸った表情をしてエースと共にやってきた。

エースはリードをきつく握りしめて、その女の尻を叩く。

そのメイドの目は完全に逝かれていて、もう人間ではない理性の欠片もない生物になり果てていて、悦びの声を上げていた。

「おんぷさん……」

 萌香は絶句して口を塞ぐ。

 萌香が呟いたのを聞いて、ジュンもその四つん這いのメイドがおんぷであることを確認する。

「コイツはソースを定期的に飲ませて作り上げた一級品さ。俺はアキハバラを訪れるたび徒然思っていたんだ。メイド達は皆に愛想よくする。時間も値段もつけられた状態でしか会えないメイドなんてメイドじゃない、とね。それなら、俺だけの俺にしか懐かないメイドを作り出せばいいと考えたのさ。ハハハ、何れお前らもなる事だろう。背の高い嬢ちゃんはもう既にうずいているかもしれないが、せいぜい楽しみにしておくんだな」

 おんぷに芸でも見せてあげろと、エースは言う。

 おんぷはその場で股を開いたり、自分の尿を自分で飲んで見せたりと卑猥な芸をする。

声を上げて笑いエースがリードを握り、上機嫌で部屋を出て行こうとする。

「私はぁもう戻れないんです……ぅ、エース様がいないと生きていけないのです……ぅ、人間失格です……ぅ」

 おんぷは二人の前で目ん玉をひん剥いて叫ぶように言う。

「おい、いくぞ」

 エースは再びおんぷにつけられたリードを引っ張り、部屋を出て行った。

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