第9話 可愛い洋服を買ってもらおう

「よし、じゃぁ早速行ってこよう!」

 ジェイミがそう言って猫の私を抱き上げる。


「俺も行くぜ!」

 そう言うジャンは異様にニヤニヤしている。


「……えー、ジャン、エロい服とか下着とか勝手にカゴに入れそう」

 と、リュカ。なんかそれは私もそんな気がする……。


「あ、バレた?」

 ジャンはそう言ってデレデレしている。


「ジャンはダメだな……でも確かに誰かついてきて欲しいかも」

「いねぇだろ? 俺行くって」


 ジャンがニヤニヤしていると、レオンがため息をつきながら立ち上がった。


「俺が行く。さっさといくぞ」

「お、レオンなら安心かも~。よし、じゃ、いってきまーす」


「んだよそれ……レオンあいつ女嫌いなんじゃねーのかよ、ったく……」

「……やっぱあの時惚れたとか?」

 去り際にジャンとリュカのそんな会話が聞こえてきた。



⸺⸺クルスファッション⸺⸺


 私抱えたジェイミとレオンが閉店間際のクルス族用のファッションのお店へと駆け込む。


「やっぱ尻尾あるし、ここだよね」

 と、ジェイミ。


「そうだな。お前適当に選んでいけ。俺はコイツに選ばせるから」

 そう言ってレオンが私を受け取る。


「おっけおっけ。じゃ、お会計で合流ね~」

 ジェイミはそう言って奥の方へと走っていった。


「なら俺は通路を適当に歩くから、これってやつがあったらなんか反応しろ」

「にゃっ」


 レオンに抱かれて色んな服を見ていく。

 うわぁ、全部ゲームの世界みたいな服で可愛いなぁ。それに、若い子が着るようなものばっかり。


 って、私今ピチピチの女の子なんだった。そう言えば顔は見れてないけど、可愛いのかな?


 えーい、思い切って10代の時でも着れなかったような可愛いやつ選んじゃお。


「にゃっ」

「ん、これな」



「にゃっ」

「ん」



 順調に進んでいたが、レオンが下着コーナーの前で止まる。

 でも正直ジェイミはたぶん下着までは選ばないだろうし、通ってもらわないと困るので、手を前にちょんちょんと突き出して、前に進んでアピールをする。


「……仕方ねぇか……俺は上向きながら歩くから、お前なんとかして自分で入れろ」

「にゃっ」


 私は黒い上下下着のセットや、赤いものなど、日本にいた頃は絶対に着けられないようなものにした。


 そして真っ黒な下着を取ろうとすると、手を滑らせて宙に放り投げてしまう。


「ぎにゃっ!?」

「ちょ、おまっ!」


 しまった。そう思った時にはすでに真っ黒なブラジャーがレオンの顔に被さっていた。


 レオンの顔が真っ赤になっていく。そして、自分の顔から雑に取ってカゴにぶち込んだ。


 でも私は気付いてしまった。カゴに入れるときに、レオン、カゴに入ってる下着全部見たと思う。


 どう思ったかな。派手だと思ったかな。



 そんなこんなでジェイミと合流した私たちは、会計を済ませて無事帰宅した。

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