第6章【1】

「リッツ! 特訓に行こう!」

 生徒会室のドアを開け放って言うイリーに、それぞれの仕事に取りかかっていた生徒会メンバーが目を丸くして彼女を見遣る。イリーの意図を掴めている者はひとりもいなかった。

「どうしたの?」リッツは首を傾げる。「特訓って?」

「来て!」

 手招きをするイリーに怪訝な表情を浮かべたまま、リッツは席を立って彼女に歩み寄る。不思議そうな視線が注がれる中、イリーはぴしゃりとドアを閉めリッツの手を引いた。

「東の平原でポケットラットの討伐依頼が出てたの。レベル上げの好機だよ!」

「レベル上げって?」

「魔獣を討伐したりして経験値を積んで、能力値を上げることだよ。魔法実習の授業でも経験値は積めるけど、魔獣討伐のほうが能力値が上がりやすいから」

「楽しそうだね」

 不意に声をかけられるので、イリーは叫び出しそうになるのを堪えながら振り向いた。にこにこと楽しげに笑っているのは、エンリケだった。いつからそこに、とイリーは戦慄わななく。エンリケの微笑みがこれほどまでに邪悪に感じたことはいままでにない。

「エンリケ様……!」

「僕も連れてってよ」

「これは秘密の特訓なんです!」

「あなたは隠し事ができませんのね」

 不敵な声に顔を上げると、フローティアが歩み寄って来る。その後ろに、他の四人の姿もあった。戦慄わななき言葉を失うイリーの傍らで、リッツは困ったように笑っている。こうなってしまえば、ふたりは無力であった。

「ちょうどいい」アルヴァルドが言う。「私たちも特訓しよう」

「いや、ポケットラットですよ⁉」

「じゃあ」と、リグレット。「イリーとリッツとフローティア嬢はポケットラットで、俺たちはもう少し上位の魔獣を狩りに行こう」

 頷き合う攻略対象たちに、イリーは頭を抱えた。

「私のことは放っておいてください!」

「それは無理ですわね」

 目を細めて口端をつり上げるフローティアに、へ、とイリーは間の抜けた声を漏らす。

「みなさま、あなたのことが気になりますのよ。わたくし以外はね」

 目の前に広がる美の圧に、イリーは思わず息が止まりそうになった。そうして、こう言うことしかできなかった。

「……悪女スマイル……眼福の極みです……」


   *  *  *


 東の平原に出ると、イリー、リッツ、フローティアは辺りを闊歩しているポケットラットと、時折に現れるグリーンウォンバットを討伐する。ポケットラットもグリーンウォンバットも体が小さいため採取できる素材はほとんどなく、平原の保安のために討伐するのである。

 アルヴァルド、リグレット、ジークローア、マルクは離れた場所でレッドバイソンを討伐している。レッドバイソンは角が素材として使えるため採取したいが、体が大きく獰猛どうもうであるため複数人で討伐する必要がある。それでも若き精鋭たちの前では子羊のようなものであった。

 ポケットラットに氷の矢を叩き込みながら、イリーは深く溜め息を落とす。憂鬱な表情のままのイリーに、ポケットラットの爪を器用に切り取りながらリッツが顔を上げた。

「悪いのはあなたよ。あんなふうに私を呼び出したら、他の方も気になるに決まってるでしょ」

「わかってるよ……。次からは上手くやる」

「何が秘密だったの?」

 楽しげに笑いながらエンリケが言うので、イリーはまたひとつ息をつく。

「それは秘密です」

「きみは秘密が多いね」

「エンリケ様もレッドバイソンの討伐に行ってください」

「だって誰も苦戦してないじゃない」

「苦戦してたら特訓にならないですよ」

 そのとき、ふと、何かが肩に圧し掛かる感覚になった。体が地面に引きずり込まれるように重くなる。グラビティの魔法か、と辺りを見回してみるが、この平原に隠れられる場所などなく、他の七人が掛けているとは思えない。

「どうしたの?」

 エンリケが不思議そうに問いかける。傍目には急にきょろきょろし始めたと見えたのだろう。

「……いえ……」

 段々と息が苦しくなってきた。心臓が激しく脈打ち、耳の奥で早鐘のように鳴り響いている。

「イリーさん」フローティアが言う。「特訓なのでしょう。真面目に取り組みなさいませ」

「……はい……フローティア様……」

 視界がぐにゃりと歪む。頭が重く、平衡感覚が失われていく。それでも立っている自分を褒め称えたいほどだった。

「どうなさったの?」

「……いえ、大丈夫です……」

 そう応えたとき、足の力が抜けた。それと同時に腕を強く引かれる。その手の主がリグレットであると認識した瞬間、イリーは意識を手放した。


   *  *  *


 優しい声がする。それは遠い日の思い出。呼ばれたような気がして振り向くと、懐かしい誰かが手を振っている。

「……お母さん……」

 静かに微笑むその影に誘われるままに足を踏み出したとき、不意に右手を引かれた。そちらに行ってはいけない、と、そんな声が聞こえた気がした。少しの逡巡のあと、仄かな光に背を向ける。後ろ髪を引かれつつ、温かい手に導かれるように歩き出した。



   *  *  *



 イリーが目を覚ますと、心配そうなリッツとフローティアが彼女を見つめていた。意識を取り戻したイリーに気付き、ふたりは揃って安堵の表情を浮かべる。

「イリー、気が付いてよかった」

 リッツがイリーの右手を握り締める手に力を込めた。ぼんやりしていたイリーは、ややあって我に返ると、うっ、と唸って胸を押さえる。

「目覚まし一発目に親友と推しに見つめられているなんて……」

「……元気そうね」

「心配して損しましたわ」

「ご心配をおかけしてしまうなんて罪深い……」

「そこまで言っていません!」

 体を起こすと、生徒会メンバーの五人もイリーを見守っていた。これだけの美形たちに見つめられているのはなんと圧巻だろう、とイリーはそんなことを考える。イリーは攻略対象には興味がなかったが、他の乙女たちはこの五人の中から推しを決めるのはどういう基準なのだろうか、とそんなことが気になった。

「体調はどう?」

 リグレットがイリーのそばに来て問いかける。

「特に悪くないです」

「そう、よかった。急なことではっきり断言できるわけではないんだが、きみに悪霊のたぐいが取り憑こうとしていたんだ」

「……、……」

 黙り込むイリーに、リグレットが案ずるように覗き込む。イリーはその視線を振り払ってベッドから降りると、リッツの手を取った。そのまま救護室を飛び出した。

「どうしたの、イリー」

 救護室から充分に離れると、イリーはリッツの手を放して言った。

「フローティア様のそばに悪霊がいる。たぶん、フローティア様の心を乗っ取ろうとしている」

「……闇堕ちルート、ってこと?」

「断言はできないけど、そっちに進んでる可能性は否めない」

 イリーに及んだ負の力は、あの場にいたイリー以外の七人が発動させた魔法とは考えられない。リグレットの言うように悪霊によるものだとしたら、草原という何もない空間に突如として現れるのは不自然である。そうなれば、フローティアのそばにすでに悪霊がいるという可能性が最も高い。

「何がきっかけで?」

「わからない。もしかしたら、ずっと前からフローティア様のそばにいたのかも……」

 ゲームのシナリオでは、悪役令嬢はヒロインへの嫉妬や羨望、攻略対象への秘めた恋心や執着心、公爵令嬢であり未来の王妃であることへの責任感と自戒の念……そういったもので徐々に押し潰されていく。その心に付け込むのが悪霊である。本来のシナリオであれば、悪役令嬢の心が弱っていくうちに浸食されていくのだ。フローティアの心がどういった状態かはわからないが、悪霊に支配される条件はまだ揃っていないのではないかとイリーは思う。

「これはみんなに話すべきよ」リッツは眉根を寄せる。「みんなの力を借りるべきだわ」

「いや、それは大丈夫なんだけど……」

 考え込みながら呟いたイリーに、リッツは怪訝な視線を向けるが、イリーの次の言葉を待った。

 どうしたら、とイリーは思考を巡らせる。そうしているうちに考えがまとまらなくなり、ぐるぐると視界が回るような感覚に陥った。そんなイリーに、リッツは案ずるような視線を向ける。イリーはひとつ息をつき、顔を上げた。

「ごめん、ちょっとひとりにさせて」

「……わかった。生徒会室に戻ってるね」

 イリーの肩に優しく触れ、リッツは背を向ける。その後ろ姿を見送り、イリーも反対側へ歩き出した。


 食堂のいつもの席へ着き、イリーはひとり考えに耽る。

 このまま悪霊を放置すれば、フローティアに取り憑くのも時間の問題だろう。野放しにしておくわけにはいかない。

(悪霊からフローティア様を守るためには、聖女の力を使って悪霊を滅ぼすしかない……)

 ゲームのステータスから考えると、イリーが悪霊を滅ぼすことは現時点でも可能だろう。この学園に入学したことで、能力値もある程度は上がっていると思われる。

(でも、聖女の力は本来、悪霊に取り憑かれた悪役令嬢を倒すためのもの……)

 ヒロインが聖女として覚醒するのも、本来であれば物語中盤のこと。現時点でヒロインイリーが聖女の力を持つのも、悪役令嬢フローティアのそばに悪霊が近付いているのも有り得ないことだ。

(すでにフローティア様のそばに悪霊がいるなら、取り憑く前に滅ぼさないといけない。だから、おびき出す必要がある。そのためには魔道具が必要で……素材を採りに行かなきゃいけない。リッツと協力して……)

 ゲームの物語では、悪霊と対峙するのは悪役令嬢に取り憑いたときのみである。フローティアに取り憑く前に討伐するには、フローティアのそばから剥がさなければならない。幸いにも、そのための魔道具には心当たりがある。素材を集めるためには多少の時間が必要だが、リッツの協力を得れば不可能ではないだろう。

「難しい顔して何を考えているの?」

 優しくかけられた穏やかな声に、イリーは意識を現実に引き戻された。顔を上げると、マルクが覗き込んでいる。

「……特にお話するほどのことでは」

 そう言って、イリーは視線を手元に戻した。ふうん、と首を傾げたマルクは、彼女の左隣の席に腰を下ろす。

「僕たちに隠してることがたくさんあるよね」

「女の子は秘密が多いものなんです」

「……たとえば、聖女であることとか?」

 ぐるん、と勢い付けて振り向くイリーに、マルクはおかしそうに小さく笑った。どうやらカマをかけたわけではないらしい、とイリーは肩の力を抜く。

「どうしてわかったんですか?」

「僕たちは兄妹になったんだから、これだけ近くに居ればわかるよ。その眼鏡は加工がしてあるんだね。他の人は気付いていないと思うけど」

「……そうですか……」

 確かに、とイリーは考える。眼鏡で隠しているだけであるため、近くに居れば隙間から瞳が見える。瞳に浮き上がる星に気付けば、一目瞭然である。

(……もしかして、リッツも……?)

 同性同士でマルクより近くに寄れるリッツは、マルク同様に気付いている可能性が高い。それでも黙ってくれていたのかもしれない。

「何をそんなに思い詰めているの?」

 マルクが真剣な表情で問いかけるので、イリーは少しのあいだ逡巡する。二年前に兄妹になったばかりの自分を信じてくれるかどうか、というところで躊躇った。しかし、信用してくれるかどうかは、話してみなければわからない、と決心して顔を上げる。

「到底、信じられる話ではないと思います」

 緊張しつつ言ったイリーに、マルクは優しく微笑んだ。

「信じるよ。大事な妹を疑うわけないじゃないか」

 マルクの瞳は真剣そのものだった。ここで話さないのは、イリーがマルクを信用していないことになる。イリーはひとつ頷き、口を開いた。



   *  *  *



 リッツが生徒会室のドアを開けると、フローティアだけが仕事に取り組んでいた。リッツの呼び掛けに、フローティアは手を止めて顔を上げる。

「おひとりですか?」

「ええ。他のみなさまは各々のお仕事に向かわれましたわ」

「そうですか……」

 自分も何か仕事をしようと書類の束をめくったとき、ふと思い立って、フローティアのそばに歩み寄った。

「フローティア様。お話したいことがあります」

「……どうぞ」

 少し緊張した面持ちになりつつ、フローティアは向かいの席へリッツを促す。イリーと親しくなった効果か、自分への警戒心も薄くなっているようだ、とリッツは思った。

 リッツが向かいの席に着くと、フローティアは仕事に取りかかっていた手を止める。

「不躾なお願いなのですが……イリーに、私の兄と婚約するよう進言していただけませんか?」

 フローティアは怪訝に眉をひそめつつ、促すようにリッツを見遣った。

「詳しいことはまだ言えないのですが、イリーは保護しなければならないんです。そのためには、私の兄のフェリクスが適任なんです」

「……将来性の安定した身分の高い男性、ということ?」

 慎重に言葉を選びつつ言うフローティアに、リッツは静かに頷く。フローティアは少しのあいだ考え込むと、逡巡するように視線を彷徨わせたあと、硬い表情で顔を上げた。

「理由もわからず将来のことを押し付けるわけには参りませんわ。イリーさんだけではなく、フェリクス様の将来にも関わりますもの」

 フローティアの言うことは尤もだ、とリッツは考える。理由も知らずに婚約の進言をすることは、フローティアに責任が降りかかるし、そうでなければ無責任とも言える。無茶なお願いをしている、ということはリッツも自覚していた。

「兄には、詳しいことはまだ話せていませんが、同じように頼みました。理由を話せばおそらく、すぐに動いてくれると思います」

「……あとはイリーさんが頷くだけ、ということね」

「はい」

「……イリーさんは、望めば国の最高位の身分になれる可能性もありますわ」

 最高位の身分、とリッツは心の中で呟く。それから、いいえ、と強く首を横に振った。

「それは、イリーは絶対に望みません。イリーの望みは、フローティア様がアルヴァルド殿下と結ばれることですから」

「だけど、あの子のほうがわたくしより国家にとって有用ではなくって?」

 不敵に微笑んで言うフローティアに、リッツは眉根を寄せる。フローティアは小さく息をつくと、肩をすくめて言った。

「あの子は聖女なのだから」

 リッツは思わず言葉に詰まる。隠したほうがいいだろうと思っていた核心の部分だったが、まさか的確に言い当てられるとは思っていなかった。

「その様子では、あなたもご存知だったようね」

「ええ、まあ……私たちくらい近くにいると、さすがに気付きますよね」

「眼鏡で隠しているだけですものね。詰めが甘いですわ。……まあ、それがあの子の良いところでもあるのかしら」

 ぽそりと小さく呟いたフローティアに、意外な言葉を聞いた、とリッツは首を傾げる。イリーがこの場にいたら無かった発言だろう。

「生徒会のみなさまがイリーさんを気に掛けてらっしゃいますわ。聖女であることは気付いていないでしょうけれど。イリーさんは誰と結ばれても幸せになれますわ」

「イリーは、フローティア様の幸せを一番に考えています。もしフローティア様を差し置いてアルヴァルド殿下と結ばれても、イリーは幸せにはなれません」

 アルヴァルドが力不足というわけではないが、イリーの一番の願いはフローティアがアルヴァルドと結ばれて幸せになること。そのために誰とも結ばれないよう気を張っている。フローティアが悪霊に取り憑かれることなく断罪を回避すること、それがイリーの最大の望みなのだ。

「……なぜそこまでわたくしのことを?」

 フローティアは怪訝な表情で言う。イリーとフローティアは、入学式の日が初対面だ。そして入学してまだ一ヶ月半。これほどまでに懐かれているのを不思議に思うのも当然のことだろう。

「……イリーは、フローティア様に救われたからです」


   *  *  *


「乙女ゲーム……」

 難しい表情で呟くマルクに、イリーは小さく頷いた。マルクはイリーの説明を一通り聞き、リッツと同じように顔をしかめて考え込む。そんなことが有り得るはずがないと否定するようなことはなく、自分の中で嚙み砕いて理解しようとしているようだ。

「イリーと結ばれることで、僕たちの運命が変わる……」

「はい。だから誰とも結ばれるわけにはいかないし、フローティア様は守らなくちゃならないんです」

「なるほど……」

 他の攻略対象はともかく、マルクに自分と結ばれるルートのことを説明するのは少々気恥ずかしかった、とイリーはそんなことを考えた。

「ひとつ、確認しなければならないことがある」

 真剣な表情でマルクが顔を上げるので、イリーは彼を見遣ることで促した。

「聖女になるには、高い魔力と高潔な血が必要だ。イリーの血はどこからきているんだい?」

「……母の名は、サラ・アスクティード。アスクティード侯爵家の次女で、レヴァラレン公爵夫人の妹です」

 マルクが言葉を失う。言う必要がなければ打ち明けなくても問題はないと思っていたが、イリーとフローティアは血縁上、従姉妹に当たるのである。おそらく、フローティアには話す必要はないだろう。

「いま、イリーの母君は?」

「さあ……。二年前にマッケンロー伯爵家に行けと言ったきり、連絡は来ていません」

「アスクティード侯爵家の子女だったら、伯爵と繋がりがあってもおかしくないね。きみの父君は平民で、駆け落ちしたってことかな?」

「はい。父は私が子どもの頃に亡くなりました」

「なるほど……。伯爵はそれを知った上で、きみを引き取ったということか……」

 母がいつどのようにマッケンロー伯爵と話をつけていたのかは、イリーにはわからない。母はマッケンロー伯爵家に行けとだけ言って、それまで暮らしていた家から姿を消した。マッケンロー伯爵家に行くとすぐに養子として受け入れられたため、母は自分のもとへ帰って来ることはないのだろう、となんとなくそんなことを思った。

「あてにならない母のことはいいんです。なんとしても、フローティア様の破滅を防がなければなりません」

「イリーが誰とも結ばなければ、ある程度は防げるのかな」

「そう思ってますが……悪霊が取り憑けば破滅します。その前に悪霊を討伐しないとなりません」

 フローティアを悪霊から守るためには、フローティアに取り憑く前に討伐してしまうのが確実である。いまでもフローティアの近くに居るようだが、これ以上に近付かせてはならない。

「そのためには、味方が必要なんじゃない?」

 覗き込んで言うマルクに、イリーは肩を落とした。

「でも、他の方にはこんなこと話せないですよ」

「現実味の薄い話ではあるからね……。一緒に考えよう。ひとりで思い詰めても仕方ないよ」

「……はい」

 イリーが堅い表情で頷くと、マルクは優しく微笑む。リッツとマルクはイリーとの親密度が他の者たちより高いため、イリーの話を信じてくれたのだろう。しかし、他の攻略対象やフローティアに話しても、おそらく信じられることではない。もし自分が打ち明けられる側だったら、とイリーは考える。おそらく、なんだその夢物語は、と思ったことだろう。そもそも、異世界から転生して来た、などというのは荒唐無稽な作り話のように思える。それを信じてくれたのがリッツとマルク。心強い味方を得られたことは、イリーにとって僥倖であった。



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