第15話
思ったより早く宇宙人と対峙することになってしまった。自己紹介から数日、また5人が召集されるとすぐに何の説明もないまま車に乗せられた。
よく分からない内に、召集場所からほど近い河川敷に連れていかれた。
河川敷にはこちらの五人、佐々木、加藤と
身長170センチ前後の男がいた。
その男を指差しながら、
「彼が宇宙人です」
と加藤が言った。どこに宇宙人感があるのか、正直分からなかった。
どう見ても典型的な日本人だ。ただ、鼻唄なのか高音でピーピーないている。
すぐさま青葉が翻訳機を出し、こちらに渡してきた。
他のメンバーもこちらの様子を伺っている。佐々木を抜けば年長者である自分がやるべきなんだろうなと考えつつも、出来れば血気盛んな若者に立候補してほしかった。
翻訳機を宇宙人に向けるとピーピー音は日本語になっていく。
「我々は、遠い星からやってきた宇宙人だ。我々の星は寿命を迎え、なくなってしまう。可能であれば、ここの星に移住したい」
青葉は機械をこちらに向けるように促した。
「こちらとしても、無益な争いは生みたくはないが、あなた方を受け入れるために準備が必要だ」
日本語で話した言葉は今度はピーピー音に変換される。
機械を宇宙人に向けると
「わかった」
と告げてくる。
機械から離れて、佐々木と加藤に確認する。
「日本政府としては受け入れは可能なのか条件交渉の確認してもらいたい」
今だかつて、このパターンはなかったようで、加藤が次回交渉の日程を宇宙人と決めていた。
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