第3話

ドアが開くと、そこまで仲良くない本社の人間

須藤がニコニコとした顔で近づいてきた。

胡散臭い笑顔を携えた須藤は興味をもてないような世間話をふりながら、

本社の奥へ奥へとこちらを促してくる。

不穏すぎある状況に逃げ場もなく、

たどたどしく言葉をつむぐ。

「今日はどう言った話で?」

あまりにも緊張しすぎたのか、その声は小さすぎて、

須藤の最近はとんこつラーメンにはまっててという本当、どうでもいい話に飲み込まれていった。

永遠に思えた奥にある面談室までの道のりは実際は数分の早さでたどり着いた。

面談室のドアは重めの木の扉である。こういう場合は入室するときはノックをするべきなのか悩んだが、徒労に終わった。須藤が扉を支えて中に入るように伝えてきた。

奥には会社の重鎮たちが、値段の高そうな座り心地のよさそうなイスに座っていた。

ブラック企業勤務とはいえ、こんな状況は今まで経験したことがない。

思わず息を飲む。

真ん中に座っている大きな会でしか見たことのない、社長が大きな声を出してきた。

「実に名誉なことだ」

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