第8話 禿げ頭盗賊団の襲撃②

ー禿げ頭盗賊団の二人を運ぶ最中ー

ーげこげこの森ー

「ところでロッドさん」

「ん?」


「ウホを倒したとき、すかしっぺだとか言ってましたけど、あれどういう意味だったんです?」

「?意味も何も、そのまますかしっぺしただけだよ?」

(まじか・・・・・・)


俺は心の中でおならだけで七人衆の一人を倒した事に驚く。


「・・・・・・おい」

俺とロッドが話していると、後ろから声を掛けられる。


「?あのーなにか?」

俺が丁寧に聞くと、髭ボーボー、強面、ハゲ、上半身裸、筋骨隆々、といういかにも裏社会を闊歩してそうな男は、こう答えた。


「・・・・・・その二人・・・・・・置いて」

(さっきは強気っぽい口調だったのに今度は丁寧・・・・・・キャラ統一しろよ・・・・・・)


俺は心の中ではキャラのブレを指摘しつつも、男との会話を続けた。


「置いてって言われても・・・・・・この二人はこれから騎士団に突き出すとこで・・・・・・」


「そか・・・・・・」

(そか?)


「!!!!レンブくん危ない!」

次の瞬間、俺はロッドに蹴られ、筋肉男は俺とロッドの間に拳を突き出して立っていた。


「・・・・・・は?」

(数メートルはあったろ、なのに一瞬で距離を詰めてきた・・・・・・)

俺は筋肉男の速さにビビり散らかす。


「なら・・・・・・禿げ頭七人衆ムゴン・・・が・・・お前ら殺す」


「こらこら、物騒な言葉使うものじゃないぞ!」

ロッドは担いでいたハゲタを地面に置き、両手を横に置いて低く構えた。


「・・・・・・来い」

それが、戦闘の合図だった。


次の瞬間、ロッドはおならで自身とムゴンの周囲を囲い、距離を詰めた。


「・・・・・・」

ゴッ!という音と共にムゴンのチョップによってロッドは地面にたたきつけられていた。


「次・・・・・・」

ムゴンはこちらを向き、その言葉に俺は震えていた。


(あと今更だけどこいつの口調が変なのはキャラがぶれてるからじゃない!なるべく最小限のしゃべりで済まそうとしてるからだ!)


「?・・・・・・!」

すると突然ムゴンはよろめいた。


「すかしっぺはねえ、音を立てずに屁をこけるだけじゃないんだ」

するといつの間にか復活していたロッドが立って説明を始める。


「すかしっぺは、私が魔法で生み出すおならの中で、唯一好きなように操れる」

「・・・・・・時間差、か」


「その通り!私を倒して油断した所を、空中浮遊してたすかしっぺで不意打ちしたんだけど・・・・・・効かなかったみたいだね」


「・・・・・・」

ムゴンは無言だったが、明らかにイラつきが顔に出ていた。


(ムゴンは無言・・・・・・我ながらややこしい)

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