第3話 聖剣広場
「何してくれとんのやわれえ!」
刺青男が怒鳴る。
それにロッドは困った顔でこちらに助けを求める。
(いや、そんな顔されても・・・・・・)
ロッドのおならが直撃した刺青男は、ここらでは有名なチンピラだ。
ロッドは急いでこちらに駆け寄ってくる。
「レンブくん、怖いよ、助けてくれ」
「そうは言っても・・・・・・」
俺は刺青男を見る。
すると刺青男は歩き出したロッドの前で止まる。
「あんちゃん、ちょっと一緒に路地裏行こか」
刺青男がニコッと笑う。
「それが人におならを吹きかけた奴の態度か?」
刺青男はロッドに圧を掛ける。
「いや、本当にすまない」
ロッドは深々と頭を下げた。
「物分かりがいいな、そんならとっとと路地裏に・・・・・・」
「残念ながらその誘いは受けられない」
ロッドはそう言うと、俺の右手首をがしっと掴んだ。
「おならブースト!」
するとロッドはおならを噴出し、おならを出した反動で高速移動しその場から立ち去った。
「何で俺もー!?」
手首を捕まれていた俺も当然、ロッドに強引に連れられその場から去った。
ー数分後ー
「はあ、はあ」
ロッドは膝に手をつき息を切らしていた。
「それで・・・・・・聖剣広場はどこだい・・・・・・?」
「えっと・・・・・・ついてますよ」
俺はロッドに既に聖剣広場についていることを伝える。
「?だが聖剣が見えないぞ?」
ロッドが問いかける。
「ここじゃなくて奥の方にあるんですよ」
そう言って俺はロッドを案内した。
数分後、聖剣が刺さっている岩、通称
「いたっ!?」
バチッ!と小さな電撃がロッドの手に流れロッドは反射的に数歩下がった。
「な、なんだい今のは」
ロッドが問いかける。
「結界ですよ」
「結界?」
俺はロッドに結界について説明する。
「結界って言うのは体中に流れてる魔力を薄い膜みたいにして空間と空間を区切る無属性魔法の一種なんですよ」
「だがなんでそんなものを張ったんだ?」
「聖剣は現状数少ない魔王を倒しうる武器です、何もせずにポンと広場に置くわけないでしょう」
ロッドの疑問に俺は答える。
「ほう、所でレンブくん」
「何ですか?」
「聖剣が刺さっている岩のヒビ・・・・・・あれは元からあったのか?」
「ヒビ?そんなのなかったと思う・・・・・・」
俺が聖岩の方を見ると、そこにはヒビというかもはや亀裂が入っている岩があった。
(なにが起きた!?)
あまりに突然の事態に、俺は困惑する。
だが、そのせいで俺は背後に迫っていた男に気付けなかった。
「見つけたぞぉ」
振り向くと、そこには俺とロッドが逃げてきた刺青男がいた。
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