第4話 ロッドの実力

「兄ちゃん、覚悟はできてんだろうなぁ」

刺青男がロッドに問いかける。


「覚悟とは一体・・・・・・?」

「ボコされる覚悟だよ!」

刺青男は周囲に人がほとんどいないにも関わらず拳を振りかぶる。


するとロッドは小さくおならをして刺青男の懐に潜り込む。


「ハッ!」

ロッドはこちらを向いて刺青男の右腕を掴むと刺青男に一本背負いを食らわせる。


「ぐおっ!?」

刺青男は痛そうに声を上げるとゆっくりと立ち上がり再び拳を振りかぶる。


「このぉ~!」

「おならブースト」

ロッドはおならを放出させ続ける事で、加速して再び刺青男の懐に潜り込む。


「ふんっ!」

するとロッド拳を突き出し、それが刺青男の鳩尾に直撃する。


「ぐっ・・・・・・おおぉ」

刺青男は鳩尾及び腹部を抑え悶え苦しんでいる。


「まだやるかい?」

ロッドが問いかけると、刺青男は悔しそうにその場を去った。


(この人、もしかして普通に強い?)俺はその疑問を心の中に留めた。すると、一人の老人が近づいてくる。


「あんた、強いのぉ」

木製の杖を持ち、緑のローブを身にまとい、ローブの下に白い服を着て、片眼鏡を掛けた白髪の老人男性がそこにはいた。


「ありがとうございます・・・・・・?」

ロッドは一応感謝を伝えると、疑問を投げかける。


「所でご老人、先程聖岩に大きな亀裂が入っていたのだが、なにか知っているか?」

「ああ、それはな・・・・・・」


老人は俺とロッドに説明を始める。

「聖剣は負の感情に強く反応する、恐らく怒りの感情で近づいてきた男に反応したのじゃろうて」


(なんか妙に詳しい気が・・・・・・)俺はそう思いつつも沈黙したままでいた。

「そうか・・・・・・それともう一つ質問があるのだが・・・・・・」


「なんじゃ?」

「あの結界を解くにはどうすればいい?」

ロッドは突然とんでもない事を口走った。


「・・・・・・さあの」

老人が答えると同時に俺はロッドの腕をつかみ近くに引っ張る。


俺は小声でロッドに説教する。

「なに言ってるんですかロッドさん!」

「何って?」


「さっきも言いましたけど聖剣は現状数少ない魔王に通用する武器!それを守っている結界の解除方法を聞くなんて、最悪罪に問われますよ!」


俺は言い終わると老人に振り向き、何度も頭を下げた。


「すみませんすみません!」

「よいよい、今のは聞かなかった事にしてやるわい」

老人はそう言ってその場から立ち去った。


「いいですか、もう二度とそんな事聞かないでくださいよ?」

俺はロッドに再度注意する。


「ふむ・・・・・・聖剣を抜くのが無理なら・・・・・・情報を集めるか!」

ロッドは俺の手をがしっと掴む。


「え?」

俺は思わず声を出す。


「君も来い、レンブくん」

ロッドはそう言って、おならブーストを発動する。


「おならブースト!」

当然俺はロッドに引っ張られ、強制的に一緒に行く羽目になった。


「なんでええええ!?」

そう困惑する俺であった。







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