No chaser 08 下洛貴族と漂流の民
「何と、旦那様が魔法を……ようございましたな! わしも苦労のし甲斐があったというもの。早速央都に戻れるよう手配を」
南郷殿はリンドを叱るどころか、カイゼル髭をプルプル震わせながら目に歓喜の涙を溢れさせた。
「南郷には迷惑ばかりかけてしまうね。ああ、でも僕はまだ
「何をおっしゃる! 魔法が使えるようになったのなら<真名>を名乗れるのですぞ? あの時の濡れ衣を晴らしたいとは思いませんのか!」
まあ待て南郷殿。最後までリンドの話を聞け。何もここで一生を終えようということを言ってるのではない。今はまだ時期尚早というだけだ。
「何だと? それはどういう……説明してもらおうか、セイリュウ殿」
このまま央都に帰っても、また難癖をつけられて潰されるのがオチというのは分かり切っている。そうさせないためにも今は雌伏の時、魔法の腕を磨き
「一族だと? いきなり話が見えんのだが……」
ああ、南郷殿にも拙者の正体を明かしておこう。我が名は
魔法の4大元素、地水火風についておさらいをしておこう。4大といっても<地><水><火>の3属性が同列で<風>は一段下がって弱い属性だというのが今の【
従って<地><水><火>の3属性を2つ以上併せ持つ
それというのも<風>の属性は触媒であり、他の属性を変化させて陽性の<木>と陰性の<金>を生むことはできるが、単独で魔法を使うことはできないと
そして【琿虹】の先祖、物派こそがかつて我が一族を追放した黒幕だ。貴族というランク付けで人を縛り、格差や差別を作り出した元凶だ。
昔むかし、かつてこの名も無い土地に6人の神の使いが降り立ったとき、彼らは6つの力をたずさえていた。それが万物を構成し魔法の素とされる<地><水><火><木><金><雷>だったという。
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