第二話 人身・土地売買の危機
知識、技術・資源に長けた欧米列強の圧力は、島国・日本に再び向けられ始めていた。欧米諸国は広大な中国での販売経路を牛耳ろうと隣国・日本を貿易の中継点として欲していた。
その時、日本は…。
時は、戦国時代。日本統一を目指し、百年のも政権争いが繰り広げられていた。戦火の中、戦略・武力は自然と身についていた。武士、農民兵は忠誠心と保身・野望のため強い絆で結束感を高めており、植民地化されている国とは自ずと一線を画していた。植民地化を狙う欧米列強にとって想定外の独自性を築き上げていた。
ヨーロッパの中で突出したポルトガルとスペインは条約を結び、世界を両者が二分していた。その境界線に日本が位置していたため、両国の宣教師が入れ替わり来日。織田信長に布教活動を許され、京都や西九州にキリシタンが急増した。後継者の豊臣秀吉は、布教を隠れ蓑にし南蛮貿易に旨味を感じていたが、ポルトガル出身でイエズス会司祭・宣教師コエリョが秀吉を博多に迎えた際、自分が建造させた最新鋭の軍艦に秀吉を乗船させて、「自分ならいつでも世界に冠たるスペイン艦隊を動かせる」と自慢と恫喝とも取れる言葉を発した。その瞬間、秀吉は彼らの植民地計画を看破した。すぐさま国内の状況を調査。するとキリシタンに改宗したキリシタン大名が自分の領地を寄進していることが判明。布教活動を通じ、領地を広げていく。最初に宣教師、次に商人、そして軍隊を送り込み支配していくという植民地計画を秀吉は見抜いた。外国人に日本の領土の一部を譲渡するなど言語道断と「バテレン追放令」を発した。さらに調査の結果、日本人が奴隷として世界中に売られていること知った。ポルトガル商人に手を貸した大名や商人も少なくない。犠牲となった日本人の男女の子供はなんと五万人を下らないとされている。当時の人口を考えれば、バレないで事を運ばれたことが重大だ。秀吉はコエリョに即刻人身売買の禁止とすでに売られた日本人を連れ戻すように命じた。無理であれば助けられる者たちだけでも買い戻すと命じた。国内にも人身売買禁止を言い渡した。
現在の日本政府も海外に国土を安易に売り渡している。また、賄賂や色香で企業家・議員が取り込まれ、戦わずして支配される危険な状態にある。秀吉の嗅覚と迅速な動きは今の日本人皆に求められている。
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