日本植民地化計画
龍玄
第一話 植民地獲得に沸く欧米列強と「神風」
欧米諸国は、世界各地で植民地を奪い合っていた目的は、資源確保と販売路拡大、安価な労働力を求めてだ。植民地化されれば、その地域の文化は破壊され、資源を奪われ、不平等な商業活動に見舞われる。日本も植民地化の危機に幾度も襲われていた。
15世紀半ば頃は、ヨーロッパ人による大航海時代の真っただ中。アフリカ、アジア、アメリカなどの植民地化が進んでいた。南米を狙うスペイン人は戦力の傘の下、知力の劣る現地の人々を見下し、奴隷労働を強要・制圧し、非人道的な行動を繰り返すことで優位性・優越感を得ていた。スペイン宣教師のラス・カサスはその非道さを国王に告発した。エスパニョーラ島(ハイチ・ドミニカ共和国)の約三百万人の住民は五十年余りで二百人に激減。バハマ諸島の約五十万人の住人は十一人まで減少。スペインはアステカ帝国を滅亡させ世界最大だった銀の産出地やインカ帝国を征服し、金の鉱床を手に入れた。さらに南米大陸のの二分の一、北米大陸の四分の一を奪い取った。一方、与えたものは天然痘、梅毒、コレラなどの病原菌であり、免疫のない現地の人の命を多数奪った。失った労働力を補うためアフリカの人々は中南米に奴隷貿易の対象として扱われた。
大航海時代が終わり、産業革命による技術革新が進むと従順な労働者を得るため、現地の人々に教育を受けさせず歯向かう知力を奪った。文字を読めない現地の人は契約が理解できず不条理な扱いを受け、酷使された。
悲惨な植民地の有様。その悪夢が到来したのは元寇と対峙した鎌倉時代。モンゴル帝国は三万の軍勢で九州・博多湾に襲来した。元の皇帝・フビライは、六回にわたって日本に国書(詔書)を出していたが日本の硫黄を狙っていると見抜いて返事をしなかった。相続権を破って王位に就いたフビライは、遊牧を捨てて中国風の生活を好んだ。その批判をかわすために、民の目を外に向けさせるため日本を襲来。苦肉にもフビライが好んだ中国は、暴挙に出て海外からの信用を失い経済も失った今、台湾侵攻を密かに狙っている、正に歴史は繰り返すを地で行っている。
元との戦法と武器の違いに苦戦する。鎌倉武士が「やあやあ、我こそは」と一騎打ちを挑むと敵に囲まて、短い弓の矢の餌食に。鎌倉武士の弓より射程距離が長く、矢先には毒が塗ってあった。伝来されてなかった火薬を使った武器に戸惑いを隠せず、幕府軍は撤退。勝利し船に戻ったはずの元軍が一夜にして姿を消した。未明に嵐に襲われたのだ。その七年後、十四万の大軍として再来。幕府は先の戦いから多くを学び、南宋から来日していた僧から元の情報を収集し、戦法を練った。一騎打ちから集団戦闘へ。二十キロに及ぶ石塁を築いた。モンゴル軍は幕府の対策に上陸を阻まれ、またもや暴風雨に見舞われ、撤退。1274年の文永の役と1281年の弘安の役だ。
八百万の神々の成せる業か。後に神風と呼ばれた自然現象が日本を援助してくれた。日本人は神のご加護だと信じていた。
元寇との勝因は、武士の勇武と民草の働きが合わさり、国中が一体となって国難にあたったから神の守りがあったと記されていた。
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