第13話 VS星屑ノ竜
草原を抜け、広がるのは岩地。
わたしはとある光景を目撃して、ぴたりと立ち止まる。
「……ラナさん。あれ、見えますか?」
「えっと……あ、ほんとだ」
わたしたちは岩陰に隠れながら、同じ方向を見つめる。
少し遠くに見えるのは、一体の
鱗の殆どは黒色なのだけれど、時折金色のものが混ざっている。その姿は、どこか夜空を彷彿とさせて――それゆえに、その
依頼にあった場所はこの辺りだから、あれが件の
「ラナさん。
「うん、何度か」
「それは何より。ご存知だと思いますが、
「わかった。私、回復魔法、防御魔法、補助魔法は得意だから。その辺りは任せて!」
「オッケーです。じゃあわたしは、攻撃魔法全振りでいきますね」
話しながら、ありがたいなと思う。
ソロパーティーだった頃は、攻撃、回復、防御、補助など、全ての魔法を自分で行っていた。
いくらわたしが努力家で天才だとはいえ、同時起動できる魔法や魔力量には限界がある。
だから、攻撃だけに集中できるというのは、すごく助かることなのだ。
「よし……それじゃあ、さっさと倒しちゃいましょう!」
「えいえいおー!」
ラナさんとわたしは、ぱちんとハイタッチする。
それからわたしは、
わたしは駆けながら、高度破壊魔法〈地属性〉を唱えた。
わたしの魔法なら、災竜クラスだと難しいが、
と、そう思っていたのだが。
(…………ッ!? 効いてない!?)
目の前にいる
(まずっ……! ブレス攻撃が来る!)
「大丈夫! もう、唱えてある!」
後ろから掛けられた言葉に、はっとなる。
そうだった。
今のわたしには、とても心強い味方がいる!
ラナさんの防御魔法のお陰だ……わたしはにっと笑いながら、思考を巡らせる。
(稀にいる、弱点克服個体か。
――――今朝の修行の成果を、出すときだ。
わたしは黒い炎の中を駆けながら、
炎を抜けて、昏く輝く
「悪いですね……美味しく頂かせてもらいますよ?」
迫り来る
高度破壊魔法〈無属性〉――
鮮血が吹き荒れた。
(後、一発……!)
気付けば自分の身体が、柔らかな温かさに包まれている。
ラナさんが強化魔法を唱えてくれたのだと、すぐにわかった。
「ありがたやです!」
わたしは大きな声で言ってから、再び炎を吐こうと咆哮を上げる
「させませんよ?」
そう告げて、もう一度魔法を唱えた――
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